N先生、お元気ですか。大変ご無沙汰しております。5年ほど前に、偶然仕事で先生とやりとりをさせていただいたことがありましたが、それ以来ですね。いつか先生に感謝の気持ちをお伝えしたいと思っていましたので、この度、お手紙を書かせていただきます。
先生に担任をしていただいたのは、小学校2年生のときでしたので、もう20年以上も前ですね。今振り返ると、あの1年間は本当に様々なことに気づくきっかけをいただきました。
先生は、毎日のように学級通信を発行してくださいました。自分自身が気づいてもいない行動や発言に注目して、学級通信に掲載していただくなど、目立つことだけではなく、クラス全員の一人ひとりに目を向け、全員が主役となるように接してくださいました。学級通信に自分が登場することは、照れ臭さもありましたが、ものすごく嬉しかったことを憶えています。
また、苦手なことがあっても、それに関連する得意なことや小さな成長を見つけて、そこを褒めてくださいました。クラス全員で取り組んだ8の字縄跳びのときも、少しずつ縄に入るタイミングがつかめてきたことや、縄を回すのが上手等と言っていただいたことで、自信がつきました。
何か問題が起きた時は、いつも柔和な先生のまゆげが吊り上がり、とても怖かったことも憶えています。なぜ先生は怒っているのか、何がいけないことなのか、ただ怒るだけではなく、とことん話してくださいましたね。
このお手紙にすべては書ききれませんし、当時は全く気づいていませんでしたが、大人になった今、改めて振り返るとあの1年間で先生に教えていただいたことや、先生のおかげで前向きになれたことがたくさんあったと感じています。例えば、日頃心がけていることに、小さなよいところに気づける人になりたいということがありますが、これも先生から教えていただいたことです。先生と出会えたこと、今またこうして振り返り、あたたかい気持ちになり、また頑張ろうと思えることにとても感謝しています。本当にありがとうございました。またいつか、先生にお会いして、お話ができることを心より楽しみにしております。