大阪教育大学(学長:岡本 幾子)と札幌大学(学長:大森 義行)は、大学の創意工夫に基づく先導的な取組の実施に関する特例について、令和7年3月26日に文部科学大臣の認定を受けました。これは、従来の基準によらない教育課程等に係る特例制度として、全国で初めての認定事例となります。これにより両大学は、効率的かつ安定的な教職課程の運用に資するため、オンデマンド型授業を活用した教職課程連携をはじめとする新たな大学間連携を展開します。
連携の経緯
急速に変化する社会の中で、学校現場を取り巻く課題は多様化・複雑化しており、教師には新たな役割や資質能力が求められています。一方で、全国の教職課程を有する国公私立大学、とりわけ開放制教員養成制度のもとで教職課程認定を受けている大学においては、個々の大学のみでは教職課程を維持することが極めて困難な状況が見受けられます。このような状況に対応する手立ての一つとして、大学間連携により、他大学の教職課程で開設される授業科目を活用しながら教職課程の一層の充実に資することの必要性が高まっています。
令和4年の大学設置基準の改正に伴い設けられた教育課程等に係る特例制度では、文部科学大臣の認定を受けることで、各大学が自ら開設する授業科目によって教育課程を編成しなければならないという原則が緩和され、他大学が開設する授業科目の一部を自大学の開設科目とみなすことが認められるようになりました。
大阪教育大学と札幌大学は、この特例制度を活用した教職課程連携を行うことで、教職課程の一層の充実及び効率的な運営に資するとともに、先導的な教職科目の広域的な展開により、地域の教員養成の高度化に貢献します。
連携内容
大阪教育大学が開設する一部の授業科目を札幌大学へ提供し、札幌大学が自ら開設する科目として開講します。
提供科目は、教職科目のうち「生徒指導論(1単位)」、「進路指導論(1単位)」に加え、教員養成フラッグシップ大学指定科目の「ダイバーシティと教育(1単位)」の3科目とし、札幌大学において令和8年度からオンデマンド配信により開講予定です。

大阪教育大学は、教員養成フラッグシップ大学として先導的なカリキュラムを全国へ発信することで地域全体の教員養成の高度化に寄与し、札幌大学においては、教職課程を効率的に展開するとともに、地域の私立大学における教員養成の中核として質の高い教員の養成に貢献します。
この連携を通して、オンデマンドを活用した授業科目の質保証システムを確立し、全国の知的資源を活用した効率的かつ安定的な教職課程運営及び柔軟な履修モデルを提供するための新たな大学間連携のモデル構築をめざします。

このほか、両大学に所属する学生の授業内外での交流や、教職員の資質向上を目的とした連携事業、マイクロクレデンシャル等の導入等についても順次実施に向けた検討を進めていく予定です。
※教員養成フラッグシップ大学
「令和の日本型学校教育」を担う教師の育成を先導し、教員養成の在り方自体の変革を牽引するため、①先導的・革新的な教員養成プログラム・教職科目の研究・開発、②全国的な教員養成ネットワークの構築と成果の展開、③取組の検証を踏まえた教職課程に関する制度の改善への貢献等の役割を担う。全国13大学の申請に基づき、大阪教育大学を含む4大学が指定された。指定された場合の特例措置として、教育職員免許法施行規則に定める「教科及び教職に関する科目」の一部に代えて、大学が独自に科目を設定できることが可能となっている。
お問い合わせ先
<大阪教育大学 総務部経営戦略課>
TEL:072-978-3334
E-mail:kikaku☆bur.osaka-kyoiku.ac.jp(☆を@に変更して送信してください)
<札幌大学 学務部教務課>
TEL:011-852-9130
E-mail:kyomu☆ofc.sapporo-u.ac.jp(☆を@に変更して送信してください)