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2021.09.13

林講師が日本体育・スポーツ・健康学会で学会賞を受賞

 保健体育部門の林洋輔講師(*1)が,一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会(旧:日本体育学会)の機関誌『体育学研究』において,2021年度「学会賞」を受賞しました。同学会は体育学に関する研究を推進する学術団体で,国内の体育学研究領域において最大規模となる5,500余名の会員が在籍しています。

 林講師は,現在の体育学において学校の体育授業研究とは本質的に異なるスポーツ科学研究や健康増進のための運動処方・指標の開発,あるいは障がい者スポーツに関する研究が長らく重要な貢献を果たし続ける事実に着目しました。体育学という分野名の冠である『体育』とは何であるのか?との問題意識にもとづき執筆した研究論文「学問における体育Taiikuの概念:『体育学研究』総説論文の結集に観るその創出と変遷」が,同機関誌第65巻に掲載され,最優秀論文賞にあたる「学会賞」を受賞しました。

 研究で林講師は,自らの専門である「体育哲学」分野の手法に拠りつつ論文を作成しました。学問の伝統的な区分である人文科学,社会科学,自然科学の分類法を手掛かりとし,これまで同機関誌では,どの分野にどのような総説論文(*2)が掲載されてきたかを分析しました。その結果,学問名としての体育学における「体育」とは,学校授業などで行われる体育(PE: Physical Education)とは異なった「体育Taiiku」として再定義が必要であることを問題提起しました。そして,その「体育Taiiku」の実質とは「人間の幸福における身体的ならびに社会的基盤づくりに貢献する身体運動の総称」と結論づけました。

 林講師は,9月7日(火)に同学会のオンライン授賞式に参加したのち,9月9日(木)に栗林澄夫学長を表敬訪問し,今回の受賞の報告を行いました。

 受賞について林講師は「体育学には様々な専門分野の優秀な先生方が非常に多く結集しており,先行研究から大変に多くを教わる充実した研究ができました」と喜び,「体育学は人間の身体運動を総合的に研究する重要な学術分野であり,学問を通じた社会貢献の推進に向けてこれからも鋭意取り組んでいきたい」と今後の抱負を語りました。

*1 林講師の詳細な情報や論文名等が掲載されている教員総覧はこちら
*2 総説論文は,分野を総括する総まとめ論文

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2021年9月13日掲載
(保健体育部門)