理科,数学,芸術などの分野を専門とする複数の教員が担当するオムニバス形式の教養基礎科目の授業「課題探究型STEAM教育」で,7月1日(木)に実施した技術教育部門の吉岡利浩特任准教授が担当した回では,ロボットコンテストをテーマに「ものづくり」に取り組み,25名の受講生らは,4~5人のチームに分かれて,見て楽しい作って楽しいをコンセプトにしたオリジナルロボットを製作しました。製作後には成果発表会として,障害物のある競技フィールドを攻略するロボットコンテスト及びプレゼンテーション大会を開催しました。 この授業は,課題探究型学習やSTEAM教育(*1)について理解し,教育現場で他者と協働して実践的に活動することを目的に開講している「STEAM教育を中心とした教科横断型教育プログラム」という副専攻プログラム(*2)の必修科目でもあります。 吉岡特任准教授は,STEAM教育の概要を説明した後,この大会の審査の基準として,スピードだけではなく,アイデア,技術,デザインやプレゼン内容もふまえた評価基準を設けていることを伝えました。受講生らは,技術担当,デザイン担当,広報担当など,各自の能力を活かせるようにチーム内で役割分担を決め,ロボットの車輪の形や,動力となるモーターの接続方法,プレゼン方法など,様々な課題を製作時間内に解決するために,「障害物の形状に合わせて車輪はこの形でいいかな」「デザインはこの路線でいこう」「プレゼンで必要な写真は私が撮るね」など,活発に意見を交わしました。 ロボコンで,障害物をすべてクリアできたグループはありませんでしたが,プレゼンでは,グループの活動プロセスや,デザインのコンセプト,製作で工夫したポイントなどを積極的にアピールしました。吉岡特任准教授は,「こういった工夫は,実際に社会に出てからもチームでの商品・技術開発の際などに必要とされる能力です。また,『ものづくり』の答えは一つではありません。仲間とともにいろいろなアイデアを出し合い最適解を求めながら創造性を伸ばすものです。社会で必要とされる能力を子どもたちに身につけさせられるように,お互いのアイデアを尊重し合い, ロボットの製作を通して体験的に学び合ったことを,将来学校現場で活かしてもらえれば幸いです」と総括しました。 大会結果は,プレゼンや授業に関する受講生のアンケートを集計し,7月8日(木)の授業中に,受講生に発表されました。*1 STEAM教育は,Science,Technology,Engineering,Art,Mathematics等の各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育*2 副専攻プログラムは,自らの専攻とは異なる分野を体系的に学ぶことができるプログラムで,本学では5つのプログラムがある。プログラムの修了要件を満たすことにより,学修証明書等が交付される
話し合いをしながらロボット製作を進める様子
ロボコンで最後の障害物に挑戦する学生
プレゼンの様子
学生に説明をする吉岡特任准教授
2021年7月14日掲載(広報室)