教員をめざす高校生対象「教育プログラム」の最終回を実施

2022.09.30

教員をめざす高校生対象「教育プログラム」の最終回を実施

 全国の高校3年生を対象にした教員養成に関する講座「教育プログラム」の第6回講座(最終回)を、8月21日(日)にオンラインで実施しました。
 初めに、受講生は3つのブレイクアウトルームに分かれ、学生スタッフの司会のもと、それぞれ自己紹介した後に教員になりたいと思ったきっかけや教育プログラムの感想を語り合い、交流を深めました。
 次に、学校教育部門の池嶋伸晃教授が「教育プログラムを振り返って」の講義を行いました。冒頭に「教育プログラム修了にあたって皆さんの夢は大きく膨らみ、志はより確かなものになりましたか?」と問いかけ、第1回講座から第5回講座の課題として受講生が書いた小論文や感想等を披露しました。

過去5回の講座を受けた受講生の感想(一部抜粋)

第1回講座課題

「どんな先生になりたいか」
講義を受けた感想
・子どもたちの笑顔を増やし、心から学校が楽しいもの、勉強が面白いものだと感じてもらい、子どもたちが困っていることや悩んでいることを、些細なことでも見逃さずに気づき、子どもたちにとって良い対応を見極めていけるような先生になりたいです。
・いろんなことを経験させてあげられるような先生になりたい。そして、子どもたちに夢を与えられる先生になりたい。
第2回講座課題

「教員の仕事の実際」
講義を受けた感想
・生徒が先生から学ぶだけでなく、逆に先生が生徒から学ぶこともあることを知って、一緒に考えて、一緒に何かやった時に得られる一体感にやりがいを感じられると思いました。
・「教員になりたい」という思いが一層強くなりました。なぜなら、「教師冥利に尽きるエッセイ」の中にもあったように、こんなに長い間、人と関わることのできる職業は他にないだろうと思ったからです。
第3回講座課題

「学校の仕事と対応組織」
講義を受けた感想
・学校の問題を学校だけで解決しようとしない姿勢が大切だと気づきました。地域の人と一緒に学校の在り方を考えることにより、子どもたちの成長を地域全体で見守ることになり、子どもたちが地域の中で安心して学べます。
第4回講座課題

「子どもたちの状況と学校の取組み」
講義を受けた感想
・いろんな背景を持っている子どもたちについて、教員が理解して尊重することが大切だと改めて思いました。
・今の社会の状況がそのまま子どもたちを取り巻く状況になることを実感しました。学校に来る子どもたちは多様な背景や課題を抱えていて、教員はそのことを心に留めたうえで一人ひとりに配慮する必要があり、教員という職業の重みを感じました。
第5回講座課題

「オープンキャンパス」
に参加した感想
・大学生がプレゼンを行ってくださったおかげで、大学生活のリアルを知ることができたと同時に、大学生の本当に生き生きした様子が伝わってきて、受験勉強のモチベーションを高めることができました。
・教員養成大学ならではの「教員になりたい」という同じ志を持つ人と共に学ぶことができることが、魅力的だと感じました。教員採用試験の勉強も同じ志を持つ友だちがいれば、自分も良い刺激をもらえて頑張れると思います。

 続いて、学びを更に深めるために、受講生が課題研究として興味・関心のあるテーマで作成した小論文について、坂本俊哉学長補佐が講評を行いました。まず、4つの基準「自分自身が選んだテーマ・課題に対する論述の内容」「文章全体の論理性」「引用・参考資料選択や用い方の適切さ」「文章表現の工夫」で採点したことを説明した後、小論文の全体的な印象について「『論理的かどうか』『説得力があるかどうか』『推敲を重ねたか』については課題が残るものもありましたが、『思い・熱意』がとてもよく伝わってきました」と講評しました。また、「『説得力』については、小論文を読む相手によって書きぶりが変わるので、読み手を意識することが必要になります。この相手意識を持つことは、教員として子どもの前に立った時にも必ず役立つので、心に留めておいてください」とアドバイスを送りました。
 次に、同プログラムの課題研究小論文優秀賞を受賞した4名の表彰を行い、受賞者代表が「日本国内における外国人の子どもの教育支援」と題した小論文を口頭で発表しました。
 最後に、坂本学長補佐が修了証書を読み上げ、修了の挨拶として、「最近、学校の先生になることを希望する人が減ってきているという記事をよく見かけます。もちろん、楽な仕事とは言えないし、うまくいかないことも、苦労することもたくさんあるけれど『学校の先生』は素晴らしい職業だと確信を持っているので、『なんともったいない』と思います。今回このプログラムに応募してくれた皆さんの気持ちが本当にうれしく、頼もしく感じます。皆さんが私たちの後輩となり、子どもたちから『先生』と呼ばれる日が来ることを楽しみにしています」と述べました。

 

 

(入試課)