附属池田中学校の生徒が第12回「算数・数学の自由研究」作品コンクールで「文部科学大臣賞」を受賞

2024.12.25New

附属池田中学校の生徒が第12回「算数・数学の自由研究」作品コンクールで「文部科学大臣賞」を受賞

 附属池田中学校2年生の岸岡友陽さんが、塩野直道⁽*⁾記念 第12回「算数・数学の自由研究」作品コンクールにおいて、最優秀賞6名に選出され、「文部科学大臣賞」に輝きました。

 本コンクールは、一般財団法人理数教育研究所が主催したもので、小・中学生、高校生が日常生活や学校で学んでいるときに感じた疑問や課題を、算数・数学の力を活用して探究し、気づいたことやわかったこと、自らの解決方法などをレポートにまとめて応募するものです。今回は、国内外から15,570件の応募がありました。

 岸岡さんは、12月15日(日)に東京で行われた表彰式に出席し、作品「~西宮市の周囲長を測定しよう~」を発表しました。中央審査委員会からは、「県単位ではオープンデータとして周囲長が公表されている一方、市町村単位のデータが入手困難な課題に対し、独自の解決策を提示した作品です。スクラッチでの移動距離計算プログラムの開発、GoogleEarthでの境界点特定、ChatGPTを活用した距離計算を組み合わせたアプローチは、地理学、数学、ICTスキルを統合した創造的な研究として高く評価できます。さらに、プロンプトの公開や結果の検証を通じ、生成系AIの応用力と理解を示しており、科学技術活用の実践例としても意義深いです。独自手法の着想と粘り強い探究姿勢が印象的で、今後の発展も期待されます」と講評を受けました。

 受賞を受けて岸岡さんは、「受賞したと聞いた時はとても驚きましたが、嬉しい気持ちでいっぱいです。私が行った研究では、ChatGPTやスクラッチを活用しました。特にChatGPTは作業の効率化に役立ちました。しかしAIツールは間違える可能性もあるため、ランダムに取り出したものを実際に計算して結果の正確性を検証しました。また、プログラミングの作成では試行錯誤を繰り返しました。この過程で、失敗しても諦めずに根気強く課題に向き合うことの大切さを学びました。この研究を通じて、AIツールやプログラミングを駆使して課題を解決することの有用性を実感しました。この度の受賞を励みに、今後も数学だけでなくさまざまなことに挑戦していきたいと思います」と述べました。

 同校の辻本堅二副校長は、「本校では、日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学の力を活用して解決する、あるいは、算数・数学の学びを発展させて新たな数理的課題を探究する中で、気づいたことやわかったことを自らの解決の方法などをレポートにまとめることを、毎年2年生が数学の夏季休業の課題として取り組んでいます。今回受賞した岸岡くんは、日常の気づきから探究心を持って研究しているところが素晴らしいです。今後も探究心を持って研究していってほしいです」と語りました。

* 塩野直道・・・日本の算術教育者(1898-1969)。1925年旧文部省図書監修官となり、数理的な面を通して人間の知性を開発するという算数教育の目的を定め、1935年から使用された教科書「尋常小学算術」を編纂。


 岸岡さんの文部科学大臣賞受賞作品はこちらをご覧ください。

 


作品発表の様子


表彰状を手に記念撮影

(附属池田中学校)