子どもの美術館鑑賞を支援するウェブ教材「アートとともだち」を開発

2022.03.04

子どもの美術館鑑賞を支援するウェブ教材「アートとともだち」を開発

 表現活動教育(美術・書道教育部門)の加藤可奈衛教授、渡邉美香准教授、青木宏子非常勤講師らが、2019年5月に積水ハウス株式会社から受託し、絹谷幸二天空美術館と日本たばこ産業株式会社(*)との共同研究により開発した「鑑賞活動支援教材『アートとともだち』」を、特設サイトで公開しました。 
 この教材は、学校の教員や、子どもたちの鑑賞活動を広く支援する人を対象に、美術作品や生活の中の造形芸術などを展示している美術館や博物館などの地域の施設や場所を活用して、子どもたち一人ひとりが能動的な鑑賞をするために作成したものです。教材には、鑑賞活動を行う子どもたちが楽しく学ぶことを目的に、学校教育教員養成課程小中教育専攻美術・書道教育コース(当時3回生)の坪井雅予さんがデザインしたオリジナルキャラクターも採用されました。
 特設サイトでは、教材の使い方として、美術館訪問前に教員が行うこと、美術館での楽しみ方、美術館訪問後の活動、美術館への訪問が難しい場合の鑑賞活動の4つの項目に分けて紹介。「アートとは何か」「自分が美術館で働いていたらどのように展示するか」などをテーマにした、子どもの興味・関心に合わせて活用できるワークシートや、鑑賞を補助する『鑑賞ルーペ』の型紙を掲載しています。また、このサイトでは、教材を活用した鑑賞実践事例や、教材使用・研究内容についてのQ&A、近畿のミュージアム(現在115館)なども紹介しています。
 担当した教員らは、美術館鑑賞や教材の活用について「美術館などでの鑑賞学習は少し敷居が高いように感じられがちですが、いろいろな可能性を秘めています。はじめの一歩としてぜひ活用していただき、不安に思うことがあれば遠慮なく相談してほしいです」「教員同士のコミュニケーションのきっかけとして、少人数での試みとしてなど、段階的にも活用いただければ幸いです」「コロナ禍でのICT・オンラインを利用した学習実践にも活用できるので、実践事例のお知らせを心待ちにしております」「学校と美術館との連携学習を行う機会に、広く活用いただけることを願っています」と想いや展望を話しました。

(*)日本たばこ産業(株)は、パートナーシップを基盤に地域社会への貢献活動をおこなうRethink PROJECT(リシンク・プロジェクト)の活動の一環として共同研究を行った。


特設サイトでダウンロードできるウェブ教材の元となった教材


教材オリジナルキャラクター
(左から「ナンダ カンダ」君、「かんぱんだ」、「かんが えーる」ちゃん)

特設サイト「アートとともだち」


表現活動系