平成13年6月8日、大阪教育大学附属池田小学校に刃物を持った男が侵入し、8人の児童の命が奪われ、13人の児童と2人の教員が負傷しました。事件から21年を迎えた6月8日(水)、同校で追悼式典「祈りと誓いの集い」があり、児童、保護者、教職員ら約770人が参加しました。午前10時12分、犠牲になった8人の名が刻まれた「祈りと誓いの塔」の鐘が児童代表の手で鳴らされ、参加者全員が黙とうを捧げて冥福を祈りました。
本事業は、事件を風化させず、その教訓と学校安全の思いをつなぎ、広く社会に向けて発信していくため、当時を振り返り、子どもたちにとって安心で安全な学校づくりを誓うものです。
式典に先立ち、荒川真一副校長は、「多くの人に守られていることに感謝しつつ、自分以外の人のことも思いやって、安全な社会を作ろうという気持ちをもって過ごしてほしいです」と、全校児童に対して語りました。続いて、全学年で「安全科」の授業が行われ、6年生の授業では「事件後に建てられた本校の校舎について『安全への配慮と校舎への思い』」をテーマに、児童たちは、校舎の過去と現在の写真を比較しながら現在の校舎に込められた意図に思いを馳せ、今後自分たちにできることを考え発表しました。
式典では、事件当時は6年生の担任として、3度目の赴任で2020年4月に校長に着任した眞田巧校長は、教職員の学校安全のための取組や同校に関わる多くの方々の協力だけでなく、児童自身が自分で身を守ることに取り組んでいる一方で、国内外問わず子どもが巻き込まれる事件が今もなお続いていることにも触れ、一個人や一学校では対応できない事案でも無力感を感じて目を背けていては学校の安全を守ることにつながらないことに言及するとともに、「これまでの地道な取組を継続するとともに、近隣の学校のみならず、全国の学校や関係機関と手をたずさえて、それぞれの経験や知見を情報交換し、安全管理の徹底と、教育の力によって、自他のいのちを大切にし、人を守る側、支える側の人間を育てることを引き続きめざしていきます。本校で取り組んでいるSPS(セーフティ・プロモーション・スクール)を推進し、学校安全をリードすべく責務を果たさなければならないと考えています」と展望を語りました。
代表児童による献花の様子
眞田巧校長
「安全科」の授業の様子
(広報室)