ポストコロナ オンライン時代の国際交流について考えるシンポジウムを開催

2022.12.08

ポストコロナ オンライン時代の国際交流について考えるシンポジウムを開催

 グローバルセンターが第13回グローバルセンター国際シンポジウムを11月16日(水)にオンラインで開催し、学生及び教職員合わせて約40名が参加しました。
 これは、同センターが、教員養成の国際的な視点に基づくテーマにより毎年実施しているもので、全学FD(*1)事業に位置付けています。

 今回は、「大学の国際化・多文化化」をテーマに、高知大学人文社会学部の高橋俊(たかはし しゅん)教授、及び本学の協定校であるフランス・リヨン第三大学日本語学科の細井綾女(ほそい あやめ)准教授をゲストスピーカーに招き、コロナ禍をきっかけとして、はからずも増加したオンラインによる海外実習の取組と今後の展望を紹介し、ポストコロナ時代を見据えた大学の国際化のあり方について考えました。

 初めに、高橋教授が高知大学におけるオンライン留学の取組を紹介しました。留学では「現地の空気を吸う」ことを求める学生が多く、オンライン留学は人気がないことやYouTubeやオンライン語学教室との競合になるといった現状を説明し、オンライン留学においても、学習効果のエビデンスを明確化することが課題であると説明しました。また、日・台・ブラジル合同ワークショップの実践紹介では、通信環境の問題や、円滑にコミュニケーションを図るにはファシリテーターが必要であると説明しました。参加者からは「ワークショップの取組は、本学が行う国際協働学習(*2)にとって、参考になる点が多い」というコメントが寄せられました。

 次に、本学の出野文莉(での ふみり)准教授(表現活動教育系)が、2015年以来続けてきた中国・天津への学生引率について紹介しました。天津大学の芸術研究所における短期文化研修において、書家や水墨画家から実践指導や書道を取り入れた特色ある教育を行う小学校を訪問した事例などを紹介し、専門分野における国際交流の重要さを説明しました。出野准教授は「コロナが収束すれば、短期文化研修を再開したい」と抱負を述べました。

 続いて、細井准教授は、フランスの大学で日本学を教える際の心がけとして、「どうしてフランスで日本人が教えなければならないのか」という問いを常に念頭に置いた教育を行っていると説明しました。また、海外での就職にはビザという課題があり、それを乗り越えるには語学力を磨くだけでは足らないと説明し、自身の海外就職の経験から、日本学に関する知識を培うためフランスの博士課程に在籍しながら日本の大学院修士課程でも学び、それをフランスの博士学位に結実させるなどの努力により、フランスでの教職を得ることができたと説明しました。

 参加者からは「オンラインと対面のギャップについて、身につまされるところが多く、興味深かった」「日本人がフランスで仕事を得ることについて、非常に貴重なお話を伺うことができた」などの感想が寄せられました。

*1 FD(ファカルティディベロップメント)は、大学教員の授業内容や教育方法を改善し向上させるための取組。
*2 国際協働学習は、多様性を理解し、国際感覚を備えた人材を養成するため、海外協定校や教育機関等と連携し、すべての学生がオンラインによる国際交流に参画すること。

 

 

 


オンライン留学の取組について照会する高橋教授


本学の取組を紹介する出野准教授


フランスで現職に就くまでの経験を紹介する細井准教授

(グローバルセンター)