今年3月に理数情報専攻自然科学コースを卒業した山林恵士さんが卒業研究で取り組んだ内容が、指導教員である理数情報教育系の辻岡強教授により論文化され、ナノテクノロジー分野で世界を代表する論文誌「Small」オンライン版に10月18日付で掲載されました。さらに、同号の中でも特に注目の論文であるホットトピックスにも選ばれました。研究テーマは「ナノ・マランゴニ効果に基づく表面ガラス転移点評価」で、真空蒸着で形成した有機膜の表面が低いガラス転移点(Tg)で流動状態にあることをナノスケールのマランゴニ効果で明らかにし、特に表面からのTg分布を明らかにしたものです。
掲載されたことを受け、山林さんは、「今回、世界的に有名な学術論文誌に掲載され、大変うれしく光栄に存じます。本研究を遂行するにあたり、終始多大なご指導・ご助力を賜りました辻岡教授に深く御礼申し上げます」と喜びと感謝を述べ、「現在、奈良先端科学技術大学院大学に進学し、蛍光体を用いた放射線計測用デバイスの研究を行っております。大阪教育大学在学中に培った研究能力を強みとし、卒業生を代表する優れた研究者となれるよう日々研究活動に勤しんで参ります 」と抱負を語りました。
辻岡教授は、「山林さんは私の研究室に所属した3回生の頃から熱心に研究活動を行っており、卒業直後を含め在学中に4回も国際会議の発表を行いました。博士号取得をめざして、これからもいい研究成果を出していくことを願っています」とエールを送りました。
掲載された論文はこちらをご覧ください。
ナノテクノロジー系学術論文誌「Small」(ドイツの化学・材料系出版社Wiley)
国際会議で発表する山林さん
応用物理学会でポスター発表する山林さん
(理数情報教育系)