トピックスバックナンバー(2011年~2020年)

2016.12.07

ウェーブレット解析の応用に関するワークショップを開催

 平成28年度数学協働ワークショップ「ウェーブレット理論と工学への応用」を,11月22日(火)から23日(水)の2日間にわたって天王寺キャンパスで開催し,全国の研究者など約25人が参加しました。
 これは「数学・数理科学と諸科学・産業との協働によるイノベーション創出のための研究促進プログラム(通称「数学協働プログラム」:Coop with Math Program)」の一環として,大学共同利用機関である統計数理研究所との共催で実施したものです。同プログラムは,全国の数学・数理科学研究者と諸科学・産業界の研究者が集中的・継続的に議論する場を提供する事により,数学・数理科学と諸科学・産業の協働による具体的課題解決に向けた研究を促進する事を目標としています。

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ワークショップ運営責任者の守本教授

 今回は,医用画像認識,ディストーションサウンドの特徴量,画像圧縮,他覚的聴覚検査,偏波合成開口レーダの画像処理,コンクリート建造物の超音波CTの各分野でのウェーブレット解析の応用に関して,理論と工学的応用の現状,解決すべき問題を,6人の講演者が解説し,その問題提起を受けディスカッション形式でワークショップを繰り広げました。
 運営責任者の守本晃教授(本学情報科学講座)および芦野隆一教授(本学数理科学講座)の司会進行で,様々な講演が行われ,参加者は最後まで熱心に耳を傾け,活発に議論を交わしました。今後,ウェーブレット理論の諸科学への展開や産業界への波及効果に期待が高まります。

参考:ウェーブレットとは

ウェーブレットは1980年代初めに現れた非常に新しい分野であり,フーリエ解析を補う新しい解析手段として,信号解析や画像処理等の工学や物理学,数学などの多くの分野で学際的な研究がなされています。

ワークショップ講演一覧

11月22日(火)

2次元複素数離散ウェーブレット変換による上咽頭粘膜病変部位の抽出
章忠,CHONG HUEI SHAN,戸田浩,秋月拓磨,三宅哲夫 (豊橋技術科学大学)
ウェーブレットを用いたディストーションサウンドの特徴量抽出
鈴木俊夫,善甫啓一,木下保(筑波大学)
DCTとウェーブレット変換を縦横に組み合わせた直交変換をブロック毎に用いる適応的画像圧縮法
芦澤恵太(舞鶴高専),森田雅貴(名城大学)

11月23日(水)

他覚的聴力検査に用いる誘発脳波のウェーブレット解析についての考察
井川信子(流通経済大学),守本晃,芦野隆一 (大阪教育大学)
ウェーブレットによるポラリメトリックSAR画像分類
新井康平 (佐賀大学)
コンクリート建造物に対する超音波CT開発と窓関数の応用
滝口孝志 (防衛大学校)

予稿集はこちらからダウンロードできます。
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~morimoto/WSPRO/
(守本教授ウェブサイト)

(学術連携課)