外務省職員による出前授業「外交講座」が,6月28日(火),柏原キャンパスで開催され,緊急・人道支援課で働く米田麻希子氏が,学生約50人の前で国際人道支援の最前線を語りました。 海外で大地震などの自然災害,感染症の蔓延,紛争による情勢の不安定化などが起こった際に,被災者や難民・避難民に対し,食糧支援や環境整備などの援助を行うことを人道支援と呼びます。このような援助が必要な事態に対して,日本政府は,人的支援・物的支援・資金協力の3つのの方法のうちいずれか,または組み合わせて援助を展開します。米田氏が隊員として派遣された国際緊急援助隊は,このうちの人的協力にあたります。国際緊急援助隊は,過去30年間で,43の国と地域に計122チーム・18部隊の派遣実績があり,2015年4月25日に起こったネパール地震に対する支援では,米田氏も国際緊急援助隊・医療チームの一員として現地に飛び,ネパール政府や国際機関との連絡・調整にあたりました。 現地での活動について米田氏は,「自身が大変な状況にあるのに,『支援してくれてありがとう』という言葉を現地の方から聞くと,気が引き締まります。外交は国と国との関係ですが,根本は人と人とのつながりです。相手を思いやり,心を通じ合わせることが大切だと思います」と語りました。また,日本で頻発する地震や津波などの自然災害の防災・対策ノウハウが,国際的な復旧・復興支援の考え方に活かされていることもあわせて伝えられました。 出席した学生らは「言葉が通じない被災地での支援というタフな任務の最前線で,女性が活躍しているとは驚きだった」「スムーズな支援体制の確立には,何よりも人と人とのコミュニケーションが大切だとわかった」など,国際舞台で活躍する米田氏の姿に刺激を受けていました。
[左写真]外交講座の様子[右写真]国際人道支援の最前線で活動する外務省職員の米田氏
(広報室)