池谷航介特任准教授の講義「障がい者支援入門」にて,スポーツを通した障がい者支援をテーマとした特別講義が,1月5日(火)に柏原キャンパスで開催されました。障がい者や子どもを対象とした陸上教室などを企画・運営する,一般社団法人神戸スポーツリンクT&F.net KOBE代表理事の野口研治氏を講師に招き,京都教育大学,奈良教育大学とテレビ会議システムで中継し,三大学あわせて約100人の学生が参加しました。 野口氏は,シドニーパラリンピック出場経験を持つ視覚障がい者のアスリート今井裕二氏の伴走者を務めています。日々のトレーニングでは「身体の可動部を触って感触を覚える,声や手拍子といった音を使って耳に情報を届けるなど,頭の中でイメージできるよう伝え方を工夫しました」という二人三脚の努力を積み重ねてきました。これらの努力が実り,第16回日本障害者陸上競技選手権大会では,全盲の部800m競走の日本新記録を樹立しました。 今井氏との出会いをきっかけに,野口氏はさまざまな障がい種別の人々と交流を深め,現在は行政や民間企業と連携した障がい者スポーツ大会を運営するなど,障がい者スポーツのすそ野を広げる取り組みを続けています。こうした自身の経験から,「固定観念を取り払うことで人は成長できます。創造力と想像力を働かせて,新しいことに挑戦してください」と学生に向けてエールを送りました。 参加した学生からは,「講義で紹介された障がい者へのアプローチ方法は,子どもへの指導と共通する部分が多く,ぜひ参考にしたい」「今回の講義を聞いて,スポーツは障害のあるなしに関わらず楽しむことができるということをあらためて認識できた」との感想が寄せられました。
[左写真]講義の様子[右写真]一般社団法人神戸スポーツリンクT&F.net KOBE代表理事の野口研治氏
(広報室)