男女共同参画推進会議とキャリアデザイン授業との連携による特別授業が,12月15日(金)に柏原キャンパスで開催され,金沢大学准教授の林紀代美氏(水産地理学専門)が,「『まなぶこと,はたらくこと,つながること』からみえる人,社会」と題して教壇に立ちました。 林氏は奈良教育大学を卒業し,京都の高等学校で非常勤講師を務めましたが,教師の仕事への自信を失いかけていたときに大学教員からの勧めもあり,大学院への再進学を決意。本学大学院修士課程,京都大学大学院博士後期課程を経て,在学中に金沢大学教育学部の講師のポストに就任し,現在は地域創造学類担当の准教授の役職にいます。 大学教員になって9年目に,結婚・出産という人生の節目が訪れ,「仕事が忙しく,研究にも注力したい,でも,いま子どもと向き合わなかったらいつ向き合うのか?」との思いから,同僚の夫とともに育児休業を取得しました。復職後も,学生による子守隊や大学制度の活用により,教員と育児を両立させました。「学生たちにとっても子育てがどういうものかを間近で観察してもらう機会にもなります。社会全体で子どもを育む関心を喚起するために,育児の『見える化』も必要なのではないかと思います」と語りました。 最後に林氏は,教員をめざす学生に向けて「子どもたちにとって教員は一番身近な大人で,その言動を知らず知らずのうちに学んでいることもあります。視野を広げて,引き出しをたくさん増やし,子どもたちのお手本になるような教師をめざしてください」とエールを送りました。 出席した学生からは「働く母親が仕事と育児のバランスに悩まないよう,もっと社会全体での支援体制が必要だと感じた」「もし大教大の先生に子どもが生まれたら,わたしも子育てに協力して支えたい」などの感想が寄せられました。
[左写真]講義の様子[右写真]金沢大学准教授の林紀代美氏
(広報室)