写真をツールに情報を発信するサークル「FILM」が,東北の今を伝える写真展「FILMが写した世界」を,12月3日(木)から9日(水)までの期間,柏原キャンパス大学会館2階大ホールで開催しました。学生チャレンジプロジェクト(※)の企画の一環として,2013年から毎年開かれており,今回は,メンバー6人が4月と8月の2回にわたり,岩手県陸前高田市で撮影取材を敢行しました。 会場には,現地の様子をおさめた作品31点に加え,陸前高田市のシンボル,奇跡の一本松を中央に配置した360度パノラマ写真が設置され,一本松の非日常的な姿と,その周辺のベルトコンベアが行きかう日常的風景の対比が鮮やかに映し出されています。 自らも現地を取材したFILM代表の花岡礼さん(健康生活科学専攻3回生)は,「あるはずのない流木が横たわるマンションの一室や,津波で破壊された海沿いの中学校など,4年半がたってもなお震災の爪痕が残る光景を見て,カメラを向けてもいいのかためらう場面もありました」と振り返りました。しかし,「取材で出会った地元の方の話から,4年半の歳月が人々に前を向いて生きる力を与えたように感じ,こちらが勇気づけられることもありました」と語ります。 述べ452人に上る来場者から寄せられたアンケートには,「まだ復興が進んでいない場所があることに驚いた」「頭の片隅にしか残っていなかった,震災の記憶を呼び起こしてもらった」などの感想がありました。花岡さんは「この写真展が震災について考えるきっかけになってくれればいい。今後も,写真を通して東北の姿を伝え続けていきたい」と展望を述べました。 なお,同写真展の様子は,12月5日の読売新聞朝刊にも紹介されました。
[左写真]自身が撮影した写真と映るFILM代表の花岡礼さん[右写真]360度パノラマ写真は,現地の音声がBGMで流れており,目と耳で風景を体感できる
(広報室)