教養学科芸術専攻音楽コースの学生らによる毎年恒例の定期演奏会を,11月25日(水)に開催しました。第59回を迎えた今回は,客席数が前回までの2倍の約1700席を誇る,ザ・シンフォニーホールに会場を移して臨みました。開演前には,合唱と金管楽器・打楽器によるロビーコンサートで観客を出迎え,息遣いさえ伝わる近距離で迫力のある演奏が響き渡りました。 本学外国人教師ヤニック・パジェ指揮のもと,ショスタコーヴィチ『祝典序曲 作品96』で幕を開けた演奏会には,スペシャルゲストとして世界的トランペット奏者,チューリッヒ芸術大学教授のフリッツ・ダムロウ氏が出演しました。今回の招聘では演奏会に先立ち,一週間にわたってリハーサルや個人レッスン,アンサンブルを本学学生に指導し,「学生の意識が高く,非常に研究熱心でフレンドリー。この一週間はわたしにとっても本当に有意義な時間でした。今後はチューリッヒ芸術大学の学生とも交流してほしい」とコメントしています。ダムロウ氏が演奏したのはヴァインベルク『トランペット協奏曲 変ロ長調 作品94』で,輝かしい音色をホール全体に響き渡らせ,完璧なテクニックを披露しました。 3曲目のバーンスタイン『チチェスター詩篇―混声合唱,児童独唱と管弦楽のための―』では,附属池田小学校および附属天王寺小学校の児童17人が,可憐な歌声で聴衆を魅了しました。児童を代表して,附属池田小学校6年生の鈴木大作くんは「有名なホールで歌えて,とてもいい体験が出来ました。多くの人に見てもらえてすごくうれしかったです」と語りました。 メインとして大曲のストラヴィンスキー『春の祭典』が演奏され,次々とエキサイティングに繰り広げられる音楽の展開と超絶技巧により,見事なエンディングを飾りました。 オーケストラを代表して,打楽器を演奏した4回生の池田健太さんは「著名なプロ奏者も公演するこのホールで,学生生活を締めくくる演奏ができ,たくさんのお客様の温かい拍手に感無量の思いです。同期の気合いも伝わって胸が熱くなり,その鼓動を楽器に刻みました」と語りました。 観客の一人は,「ダムロウ氏の巧みなテクニックによる神々しい音色や,小学生合唱団の澄みきった天使のような歌声など,多彩な音楽の融合に夢心地の気分でした」と感想を寄せました。
[左上写真]ロビーコンサートの周りを大勢の観客が囲む[右上写真]約1700席を誇るザ・シンフォニーホールでの初演奏[左下写真]世界的トランペット奏者のフリッツ・ダムロウ氏[右下写真]ステージで朗々と歌う附属池田小学校6年生の鈴木大作くん
(広報室)