トピックスバックナンバー(2011年~2020年)

2020.11.25

全学FD事業「フランスの論述教育を日本の教育に取り入れるには—論述とテクスト読解—」を開催

 第11回グローバルセンターシンポジウムとして全学FD(*1)事業「フランスの論述教育を日本の教育に取り入れるには—論述とテクスト読解—」を,教育協働学科との共催で11月11日(水)にZoomによるオンラインで開催しました。
 ゲストとして,本学の協定校であるリヨン第三大学ジャン=ピエール・ジロー教授,バカロレアの論述に関して優れた著書を持つ京都薬科大学の坂本尚志准教授を招き,講演を行いました。また,本学からは保健体育部門の林洋輔講師,グローバル教育部門の井上直子准教授が発表しました。
 オンラインでの実施ということだけでなく,フランスのバカロレアが2021年から大きく変わるということもあり,本学教職員や学生に加え,学外からの登録者も多く,175名が参加しました。
 シンポジウムでは,ジロー教授がフランスの論述の歴史,論述の書き方について述べたものを,字幕付きの動画で流しました。坂本准教授は,哲学のバカロレアには「型」を学ぶことが重要であるということを立脚点に,哲学の論述が何を求めているのか,来年度からどのように変わるのか,といった観点を踏まえ解説しました。林講師は,哲学を学識とする日本と,生き方とするフランス,という対比から,リセ(*2)で用いられている教科書を紹介しました。井上准教授は,リヨンからの留学生たちに大学入試センター試験を解いてもらった際の意見をもとに,日本の国語教育の可能性に言及しました。
 同シンポジウムを全てオンラインで開催するという試みは初めてでしたが,坂本准教授に対する本学学生からの質問も多くあり,アンケートでも「論述の歴史や方法を聞けてよかった」「フランスの論述教育の現状がよくわかった」「4つの発表がつながっていて,まとまりがあった」など,多くの意見が寄せられました。また今後のシンポジウムの実施形態については,海外からの招聘方法において「オンライン」という一つの可能性を見出すものとなりました。

*1 ファカルティディベロップメント,大学教員の授業内容や教育方法を改善し向上させるための取組
*2 リセ,フランスの後期中等教育機関で,日本の高等学校に相当するもの。

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(グローバルセンター)