トピックスバックナンバー(2011年~2020年)

2018.01.18

外交講座「日本の広報文化外交~日本ファンを獲得せよ!~」

 外務省職員による外交講座「日本のパブリック・ディプロマシー(広報文化外交) ~日本ファンを獲得せよ!~」が12月7日(木)に行われ,学生25人が受講しました。
 これは,教育心理科学講座の山田正行教授の授業の一環として,年2回実施しているものです。講師は外務省文化交流・海外広報課の高山美果上席専門官がつとめました。今回は初の試みとして,高山氏の講演後,学生たち自身が大使館の広報担当の外交官になったと想定し,日本文化紹介事業を企画する実践的なグループワークを行いました。
 高山氏は講演で,日本政府における広報文化政策,外務省における文化外交への取り組み等を紹介した上で,伝統的な外交だけでなく,外国の国民や世論に働きかける「パブリック・ディプロマシー(広報文化外交)」が大切になっていると説明し,「外交を行うのは『人』であり,日常の人間関係同様,発信するメッセージの伝わり方は,誰(いずれの国)が発信しているのか,つまり情報の受取手の発信者に対する認識や感情に影響され得る」と話しました。また,日本の大使館や総領事館が各国において展開している日本の魅力を発信する多様な事業を具体的に紹介しました。
 講演後,学生たちは4つのグループに分かれ,インド,韓国,スウェーデン及びブラジルでの日本文化紹介事業を企画しました。ある国を担当したグループからは,毎年開催されている日本祭りとタイアップして,現地の日系人と連携しながら日本料理や武道をPRするアイデアが,別の国については,春に花見をしながら,企業と協力して,日本の菓子の魅力を紹介する企画等が提案されました。
 これに対し,高山氏は「外務省の文化事業は,外交政策の一環として行うものであり,目的が明確か,内容が合目的的か,発信力や政策決定権限のある人がターゲットになっているか,コストパフォーマンスはどうかといった観点で検討することが必要」と話しました。
 参加した学生たちは,「外交が戦略的に行われていることがわかった。将来役に立つ視点だと思った」「国民感情が外交関係に与える重要性を知ることができた。外務省広報の方々の尽力に感謝したい」などの感想を寄せました。

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(広報室)