「教師の力量形成」をテーマに,教師塾「教師の学び舎」第6クールを6月10日(土),7月22日(土)8月5日(土)の3回にわたり天王寺キャンパスで開講しました。 「教師の学び舎」は,「府立高校教職コンソーシアム」(*)に加盟する高校の教員を対象にした教師塾で,授業力向上や生徒指導,ICT教育などをテーマに講義を提供しています。 第6クールは,各回で講師が変わるオムニバス形式で実施しました。木原俊行教授(大学院連合教職実践研究科)「授業力向上のアプローチ-主体的,対話的,深い学びへ向けて-」,島崎英夫教授(教職教育研究センター)「学校全体で取り組む生徒指導・支援のあり方」,林伸一指導参事(学術部)「実践的なキャリア教育の展開-学校教育自己診断等を活用して」,小田浩伸教授(大阪大谷大学教育学部)「今求められる学校における支援教育」の4つの講義が展開されました。 木原教授は新学習指導要領が求める「主体的・対話的で深い学び」を実現するための手法について,教科横断的に教育課程を編成する「カリキュラム・マネジメント」によるアプローチを提言しました。島崎教授は生徒指導のイメージについて「教師と生徒が一対一で向かい合うものではなく,教師が生徒と一緒に目標に向かって導いていくものではないか」と語りました。林指導参事は「学力の高い生徒が必ずしも社会適合できるとは限らない。主体的な進路選択に向けて,様々な職種・職業を学ぶキャリア教育が重要」と話しました。小田教授は,教育における合理的配慮や基礎的環境整備について解説したうえで,多様なニーズのある生徒には「自分のあるがままの姿を受け止め,自分が大切な存在なのだと心から思える『自己肯定感』を持たせることが大切」と力を込めました。最後に,5~6人のグループでこれまでの講義を振り返り,模造紙にまとめて発表しました。 3回の講義を終えて,参加者からは「前向きにがんばろうという気持ちになれた。共に学んだ他校の先生方からも貴重なアドバイスをもらい嬉しかった」「生徒と同じ目線に立ち,一緒に目標を見据えて指導していきたい」「必要な配慮が見えにくい生徒もいる。彼らの特性をつかむ力を養う必要があると感じた」などの声が寄せられました。
(*)府立高校教職コンソーシアム…すぐれた資質を備えた次代を担う魅力ある「教員」を育てるために,大阪府立高等学校が結成。本学をはじめとする教育系大学と連携している。
講義する木原俊行教授
生徒指導の在り方を話す島崎英夫教授
グループワークで意見を共有する受講者たち
(広報室)