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2017.07.07

国際緊急支援の実情とは 外務省職員による「外交講座」

 外務省職員による出前授業「外交講座」を6月27日(火)に柏原キャンパスで開催し,学生や教員など約50人が参加しました。
 「外交講座」とは,外務省が大学生・大学院生に最新の国際情勢や外交問題についての理解を深めてもらうため,職員を派遣し講義を行うものです。本学では山田正行教授(教育心理科学講座)が平成24年度後期から授業に取り入れています。今回は同省国際協力局緊急・人道支援課の米田麻希子氏が「国際緊急・人道支援」をテーマに講演しました。
 米田氏は,自身が支援に携わった2015年のネパールにおける大地震と2016年のコンゴ民主共和国での黄熱流行を例に,災害の発生から国際緊急援助隊派遣や資金援助などの緊急支援に至るまでの流れを解説しました。「国際緊急援助隊では救助や医療など様々な分野の専門家が活動します。その中で外務省職員が担うのは『調整』。被災国が何を必要としているかをくみ取り,他の支援国や国際機関などとも調整しながら,より効果的な支援を行っていきます」としたうえで,「忘れてはならないのは『被災国の中心性』です。国民を守るのは,まずはその国自身です。被災国が一生懸命頑張って,それでも足りないものがあれば,国際社会が支援する。必要な支援を必要な分だけ,きちんと届けることが大切です」と語りました。
 授業の後,受講生5人と山田教授,米田氏,そしてネパール大地震の際に同氏とともに国際緊急援助隊・医療チームの一員として支援に携わった,兵庫県災害医療センター看護師の成俊浩(ソン ジュンホ)氏を交えて懇談会が行われました。学生からは「派遣した国際緊急援助隊の安全確保はどうするのか」「やりがいを感じるのはどんな時か」など多くの質問が挙がり,米田氏が外務省職員の立場から,成氏が現場で支援活動に携わった隊員の立場から丁寧に答えていました。
 参加した学生からは「普段見ることのできない外務省の職務がわかり,とてもためになった」「これからも日本がどのような活動をしているかアンテナを張っていきたい」といった感想が寄せられました。

外務省国際協力局緊急・人道支援課 米田麻希子氏

(広報室)