エッセイ

小学校
2021/02/02
心に温もり
 

私の学校には、毎年恒例のクロスカントリーに参加するという行事がある。だが、楽しいだけというわけにはいかない。なぜなら、コースが自衛隊の基地だからである。平坦な道はほとんどなく、舗装されている道もほとんどないようだ。

子ども達にクロスカントリーの話をしてみると、たくさんの情報を手に入れることができた。「とにかくしんどい。」「キッズコースや5キロコース、20キロコースとかがある。」「僕、毎年出てるよ。」など、クロスカントリーはこの地域では有名なのだと知った。

私は体力に自信があったのとクロスカントリーTシャツがほしくて、20キロコースを申し込んだのである。それからというもの、子ども達に応援してもらったり、先生方からも鼓舞する言葉をかけてもらったりした。その度に、私は嬉しい気持ちとこのレースは私の想像を超えるものだということがだんだんわかってきた。

Dさんは、クロスカントリーの話をした時から「頑張りや」と声をかけてくれて、仕事終わり毎回練習を頑張ることができていた。しかし、練習はできていたものの、不安をずっと持ったまま本番当日を迎えた。

20キロコースの参加者は見た目からみんなアスリートだった。私は、ワクワクからドキドキに変わり、不安がさらに増していた。そんな時、

「Y先生!」

と元気な声がした。Dさんとお母さんだった。

今も会うと、中学校での話や頑張っていることを教えてくれる。その笑顔に先生は救われていた。