大学における障がい学生支援のあり方とアクセシビリティに関するシンポジウムを開催

2023.02.07

大学における障がい学生支援のあり方とアクセシビリティに関するシンポジウムを開催

 第45回人権教育全学シンポジウム「大学における障がい学生支援のあり方、アクセシビリティについて」を12月7日(水)に柏原キャンパスからライブ配信にて実施しました。 
 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンラインでの開催となり、開催翌日からのオンデマンド配信も含めて、学生、教職員約1,000人が視聴しました。

 初めに、筑波大学大学院博士後期課程の山森一希さんが「ともに学び、ともに育んだその先に」と題して基調講演を行いました。自身の幼稚園時代から大学時代の経験を通じて、障がいのある児童生徒等が遭遇する「社会的障壁」とそれに対する「合理的配慮」のあり方について講演しました。講演の最後には、「学校において、ともに学び、ともに育んだその先に、卒業後も地域で、友人や地域の人と繋がりながら生活をしていく障がいのある大人が育ち、インクルーシブな社会が実現する」とメッセージを送りました。

 続いて、学生報告では、学校教育教員養成課程小中教育専攻社会科教育コース4回生の小田村美湖さんが、「自身の経験や学びを通じて、『障がい』とひとくくりにラベリングするのでなく、一人一人が何に困っているのかを考えながら関わることが社会のバリアをなくすことにつながります。そしてそのような実践はすべての人にとって快適な社会づくりにつながっていくはずです」と話しました。

 その後、パネルディスカッションでは、総合教育系の齋藤直子特任准教授がコーディネーターを務め、山森さん、姫路市立書写養護学校の岩上佳愛さん、障がい学生修学支援ルーム特命職員の小馬加奈子さん、学校教育教員養成課程特別支援教育専攻3回生の藤田直佳さんら4名が「支援を受ける」、「支援を行う」というそれぞれの立場から、障がい学生支援の中で学んだことや特別支援教育の現状について議論しました。

 最後に、齋藤特任准教授はパネルディスカッションの中で登場した「大教マインド」という言葉から「支援に対して『ありがとう』ではなく、権利として当たり前という大教マインドを本学の全ての人が大事にしていきたいです」と総括しました。参加者からは「支援できるできないの問題でなく、支援あることは大前提として、どうすればそれが可能になるかを考える段階が、社会の当たり前になるべきだと思いました」「人権を守るためにはどうしたらいいのかを様々な方面から考えることができました」などの感想が寄せられました。

 

 


講演を行う山森さん


学生報告を行う小田村さん


パネルディスカッションの様子

(教務課)