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2017.04.14

本学卒業生が現代音楽の作曲コンクールで優秀賞を受賞

 本学卒業生の増田建太さん(教養学科芸術専攻音楽コース2013年卒,大学院芸術文化専攻音楽研究コース2015年卒)が,現代音楽作曲家の登竜門といわれる「第33回現音作曲新人賞(主催:日本現代音楽協会,最終審査:3月3日)」で,審査員奨励賞に位置づけられる「富樫賞」を受賞しました。また,クラシック音楽を基調とする現代音楽の作曲コンクール「第15回弘前桜の園作曲コンクール(主催:Kミュージックラボ)」でも一般部門で第1位となり,弘前市長賞と最優秀の下山一二三賞を受賞しました。
 相次いで受賞した増田さんは,「今までひたすら楽譜を書いてきた時間と努力がこのような形で報われたのはありがたいことです。たとえ数分間の作品であっても,その作曲に要する時間は膨大です。そのような挑戦は勇気がいることですが,これからも膨大な時間を費やして作品を作っていく上で,大きな励みとなりました。今回の評価に込められた沢山の方々の思いを受け止めながら、頑張っていきたいと思います」と喜びを語りました。
 現音作曲新人賞は,毎年異なるテーマが設定されます。三味線や箏(そう)など日本の伝統的な「邦絃楽器」がテーマとなった今回,増田さんは十三絃箏とクラリネットを使用し,遠くに解き放たれるような日本的時間感覚と,数的に規定されたロジカルな西洋的時間感覚を表現した『樹に窓を見る』という曲で受賞しました。また「弘前桜の園」では,チェロとシンバルという風変わりな組み合わせで,工業と人類に対する賞賛の気持ちを込めた「VIS double edition ~for Violoncello and Suspended Cymbal~」で受賞しました。同曲は4月29日(土・祝)に弘前文化会館で開催される第20回記念「未来コンサート」で演奏される予定です。
 父親の影響で幼いころから作曲を始めた増田さんは,本学で本格的に作曲について学び,現在は様々な依頼に応じて作曲や編曲を手がけながら,コンクールに応募するなど自身の音楽性を積極的に追求し続けています。先日行われた本学の卒業式では,増田さんがサプライズ演奏の編曲を担当し,本番でピアノ演奏も行いました。
 「まだ音楽家としては始まったばかりで,未熟なものです。様々な可能性に挑戦しながら新しい音楽を作り,社会に訴え続けていきたい。音楽の道に終わりはありません。これからも,沢山の人との出会いに感謝し,芸術にひたむきに向き合っていきたいです」と抱負を語りました。

増田建太さん
卒業式の記念演奏の様子

(広報室)