11月17日(日)、東京一ツ橋の一橋講堂で開催された日本教育大学協会設立70周年記念シンポジウム「未来の教育と教員養成」に参加しました。
 文部科学省総合教育政策局の浅田和伸局長が、教師に求められる力量、現在の国立教員養成大学の教員養成の現状と問題点、問題解決のための国立大学改革の方向、将来の国立教員養成大学・学部への期待等についてデータに基づく分析の提示とこれから果たすべき使命について、具体的な見地から講演をされました。
 その後、「Society 5.0時代に向けた教員養成の今後の展望について」をテーマに北海道教育大学の蛇穴学長が教員養成教育の高度化の実質を強化する観点から、新しい博士課程Ed.D.の設置の必要性について報告がありました。続いて愛知教育大学の後藤学長から教員免許の国家資格化に向けたアンケート結果について報告がありました。
 パネルディスカッションの時間が十分ではありませんでしたが、学校教育の直面する問題点の現状解決だけにとらわれるのではなく、日本の未来の姿に向けての教育改革を、国立の教員養成機関が担うべきであるというメッセージを、参加者が一様に感じたのではないかと思いますし、今後の具体的な取り組みに結び付ける必要性を実感しました。

パーマリンク

 11月6日(水)、新学習指導要領で述べられている「学習の基盤となる資質・能力」としての「小・中・高等学校での情報活用能力」の育成のため様々な場面で活動されている日経BP社PCメディア編集部長の中野淳氏と対談する機会を得ました。中野氏は、本学附属池田中学校の卒業生でもあります。
 新学習指導要領に従って、小学校では「プログラミング教育」、中学校では「技術・家庭」、高等学校では「情報Ⅰ・Ⅱ」において、政府が主導するSociety 5.0の時代と呼ばれる20年後の社会を見据えた人材育成のための情報教育が導入され、学校教育の中で重要な位置を占めることになります。小学校は2020年度、中学校は2021年度から全面実施、高等学校は2022年度から学年進行での実施です。学校教員にとって新しい課題となる情報教育を堅苦しく、重々しいものと考えるのではなく、スマホやICTなどによって既に私たちの日常生活にもたらされている便利さを促進してくれるものとしてとらえ、その便利さの構造を理解する教科として活用することが大事だと述べられました。
 当日の対談の詳しい内容については、大学広報誌「天遊」の来年春号に掲載の予定です。

パーマリンク

 10月30日(水)から11月1日(金)にかけて、毎年日本と韓国で交互に開催される 日・韓教育大学学長懇談会に参加してきました。
 今年は、韓国の済州大学と本学が開催担当を担い、韓国の済州島で実施しました。シンポジウム形式で行われるこの懇談会では、テーマを決めての研究発表があり、今年は、「教員養成大学と教養教育」、そして「小学校教員のグローバル意識涵養」のテーマで発表が行われました。いずれのテーマでも、同じアジアの国としての共通課題や国柄の違いによる独自の課題が紹介され、今後に向けた取り組みについての意見交換が活発に行われました。
 このところ、日本と韓国間では様々な問題が起きていますが、この懇談会においては、むしろコミュニケーションを強化していくことで、現実の困難を乗り越えようとする意欲がどの学長からも感じられ、良い会議であったと思います。
 なお、日・韓の国立大学が抱える厳しい財政状況を踏まえ、今後の開催形態を新しいルールによって行うことで解決に近づけようという提案が日本側からなされ、来年の札幌開催の折に結論が提示されることになりました。

パーマリンク

 我が国は、初等及び中等教育の成果を国際的に調査比較するPISAテストで、常に高い位置を占めていますが、学力面ばかりでなく、倫理観や公共心の面でもバランスの取れた力を育むいわゆる日本型教育にも諸外国から強い関心が寄せられています。
 日本の義務教育のこうした特徴を、世界の国々と共有し、各国の発展のために活用してもらうことを期待した取組み「EDU-PORTニッポン」という教育の国際協力事業を日本は三年前から実施しています。既に、インド、エジプト、タイ、ブラジルでは、日本との協働プログラムが始まっていますし、ベトナムにおいても首相から「ベトナム国内の専門学校の底上げなど、人材育成に向けた(日本の)協力」について、要請がなされています。
 こうした教育の交際的な潮流に対応する取組みの一つとして、先日、国際的な教育課題であるSTEAM教育における交流の協定締結にホーチミン市師範大学を訪ねてきました。同大学は、ベトナムの教員養成機関としては一、二を争う中心的な役割を果たしている大学です。かつて大阪教育大学へ留学生として来ておられたチー先生が日本語教育学部長をされていて、何かとお世話になりました。
 この交流を通じて、両大学が、お互いの国の教育の高度化に貢献できることを期待しています。

パーマリンク

 本学は、日本における学校教育の未来のための試みを附属学校園の協力のもとに実施しています。また同時に、外国の教員養成機能のある多くの大学と協定を結び、教員養成機能の強化に向けた取組みも進めています。
 そうした取組みのひとつとして、今回はドイツにおける協定締結校のひとつであるライプツィヒ大学とライプツィヒ市の複数の学校の校長先生をお招きして、9月19日(木)に柏原キャンパスにおいて「多文化共生社会における学校の使命」というテーマでシンポジウムを開催します。
 ドイツは、第二次世界大戦後の急速な経済復興の時期に、労働力不足を補うためにトルコをはじめとして多くの国から移民を受け入れ、近年においてもライプツィヒ大学が出身大学であるメルケル首相の政策により、諸外国から多くの移民を受け入れていることから、様々な文化背景を持つ人々が集まっています。こうした多文化の人々が共生する社会で学校教育が持つ課題や対応の工夫を日本で紹介いただき、また、日本の教育の特色と比較検討することで、人口減少の理由から、今後外国からの人々を受け入れることになる日本の未来における多文化社会の在り様を検討することが出来るのではないか、と期待しています。

パーマリンク

学校安全主任講習の開催

 本学附属池田地区にあります大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター主催の学校安全主任講習が7月31日、8月1日に開催され、全国の学校から70名近くの教職員の方々に参加いただきました。
 私からは、平成13年6月8日に本学の附属池田小学校で8名の尊い命が奪われ、15名の児童や教職員が負傷したという事実があり、これまで反省と改善に向けた取り組みを行ってきていますが、どれだけ後悔し、どれだけの取り組みを行っても決して児童の命を取り戻せないという事実があるということ。人の命がかけがえがないものであるという認識を改めて肝に銘じて安全活動に取り組む必要があることを強調してご挨拶させていただきました。
 深く頷いて聞いてくださった参加者の皆さんが、心をひとつに講習に取り組まれて得られた新たな学びを,それぞれの学校で還元していただけることを願っております。

パーマリンク

 7月27日(土)・28日(日)の2日間、柏原キャンパスにおいてオープンキャンパスを開催しました。1日目は台風接近による雨模様、2日目は一転して大変な日差しのなかでの開催でしたが、27日が3586人、28日が2853人の参加者で、大変賑わいました。
 オープンキャンパスでは、将来学校現場で教師として活躍したい、あるいは教育に広い視野をもって学びの高度化を図りたいと本学に興味をもってくれている人たちに、本学での学びを体感していただけるよう様々なイベントを実施しています。なかでも今年、特色あるイベントのひとつに、ICTによるプログラミング教育の模擬授業がありました。学校現場での数学教育の経験のある上出吉則特任教授による「キャラクター制作の秘密を探ろう。ICTでね」という模擬授業で、これを体験した多くの高校生・受講者から、「これまで、プログラミングやプログラミング教育に抵抗感があったが、こんな良い経験ができるのなら、大阪教育大学で学び、将来教師として活躍したい」というような声が多数アンケートに寄せられました。
 オープンキャンパスに限らず、これからも様々な場面で、大阪教育大学ならではの学びの意義を発信していきます。

パーマリンク

情報戦略フォーラム出席

 7月4日に富士通の「大学の持続可能性と情報戦略」というフォーラムに参加しました。
 東京会場と大阪会場を遠隔システムで繋いで特別講演と議論が行われたもので、なかでも東京大学で長年教壇に立ち、退職後、東洋大学の新学部、情報連携学部を立ち上げた学部長の坂村健氏による講演での、多方面にわたる指摘はとても興味深いものでした。このなかで、今後の大学にとって重要と受け止めたのは次の2点です。1点目は、情報化社会は既に1960年代に始まっており、多くの国がコンピューターを通じた情報化の変化に注目し、それを教育の現場に直ちに取り入れ、カリキュラムに反映させてきたのに、日本では、今頃になってプログラミング教育や、情報機器への接続の重要性を語っている。このようなことで、国際競争に勝てるわけがないということ。2点目は、文理融合教育が重要なのは、これからの社会は情報化の本質と向き合うことなしに、新しいアイデアは生み出せないからである。その根本に、数理的な知識を基礎にした斬新な発想があり得るので、文理融合教育が欠かせないということでした。
 これらの指摘は、教員養成を通じて教育の将来に責任がある私達にも重要と考えます。

パーマリンク

G20開催と大阪トラック

 6月27日から30日にかけて大阪においてG20の首脳会議が開催されました。期間中、大阪の幼稚園、学校が休校となり、休講措置をとる大学もありました。本学では、附属学校園は休校、大学は平常通り講義を実施しました。
 会議では、国家相互の懸案事項が話し合われたほか、今後の世界全体にとって最重要課題の一つである「デジタル経済」に関する特別イベントも開催されました。そこでは「急速に進行するデジタル化の潜在力を最大限活用するには、それに遅れを取らない国際的なルールが不可欠」であるとして、デジタル経済における国際的なルール作りの必要性が強調され、そのプロセスを「大阪トラック」と呼ぶことになりました。
 この課題は、今後の学校教育の在り方にも関係すると思われますので注視していく必要があります。

パーマリンク

社会教育主事講習の開講

 関西二府四県からおよそ80名の参加者を得て、本年度の社会教育主事資格のための講習が大阪教育大学天王寺キャンパスで始まりました。6月27日から8月23日までの17日間にわたって文部科学省主催の講習が行われます。この講習は、古くは1900年代前半から勅令により定められた資格のために行われていたものですが、社会教育主事が教育委員会において必置であること、学校教育の課題の複雑化に伴い必要になっている「チーム学校」体制を構築するためのコーディネーターとして期待されることから、これまでにも増して社会的に重要な役割を担っています。
 本日の開校式では、大阪府、京都府、和歌山県、奈良県の各教育委員会の代表の方々とご一緒し、開催大学の学長としてご挨拶をさせていただきました。参加者の所属地域、職位などは様々ですが、学びを共有され有意義な機会となることを期待しています。

パーマリンク
1 / 3123