藤田大輔教授(健康安全教育系)の講義「学校安全」の一環として、大阪府警察本部と連携して学校安全対策に関する特別講義を、12月5日(火)と12月12日(火)に柏原キャンパスで実施し、約80人の学生が参加しました。
この取組は、大阪府警察本部の津田隆好副本部長がとある大学の教職課程を履修している学生の「不審者が学校に侵入した際の具体的な対処法を詳しく学びたい」という旨のコメントに注目し、「警察として何か協力できることがあるのではないか」と課題提起したことを起因とし実現したものです。
初回の講義の冒頭では、津田副本部長が「大学と我々警察が一緒に学校安全に関する講義を行うことで、将来皆さんが教師になった際に万が一事件が起こったとしても皆さんと生徒の安全を守る対応を身につけてほしいと思います」と今回の取組に対する想いを述べました。講義では初めに、学校への不審者侵入事例の紹介や発見時の声掛けなどの基礎的対応方法を、警察官の模擬演技を見ながら学びました。続いて、警察官が不審者役、学生が教員・生徒役として座学で学んだことを踏まえながら、現場を想定した不審者対応訓練を実施しました。
2回目の講義では、「クロスロード(*)」手法を活用した討論形式で学校安全について考えました。学生は5人もしくは7人のグループに分かれて、警察官が出題したジレンマが含まれた問題に対して、「yes」「no」のカードを提示しました。その後、学生はそれぞれ選択理由を発表し、互いの意見を踏まえながら適切な対応について考えました。
学生からは、「生徒役として訓練に参加しましたが、不審者が侵入してきたときにどうすれば良いかわかりませんでした。本当にこのようなことが起きたときにどう対応すれば良いか真剣に考えようと思いました」「訓練とわかっているうえに生徒役は大学生という状況でした。実際の生徒はもっと幼く全員に指示が通るとは限らないので、もっとパニックになることを想定しなければならないと感じました」などの感想がありました。
特別講義を通して藤田教授は、「今後も、附属池田小学校事件における反省と教訓について学ぶ『学校安全』の授業の中で、チーム学校を構成する多様な職種の協力を得ながら、安全で安心な学校環境の構築を推進するための多面的な視点と具体的な実践能力を持った学生の育成に取り組んでいきたいと考えています」と今後の展望について述べました。
* クロスロード…平成7年に発生した阪神淡路大震災の経験を防災教育に生かすため、慶應義塾大学の吉川肇子教授らが発案したゲーム式の討論会
藤田教授による授業の導入
津田副本部長による挨拶
不審者対応訓練の様子
クロスロード手法を活用した討論の様子
(広報室)