ベトナム社会主義共和国のホーチミン市師範大学から講師を招き、「STEAM教育の潮流と才能教育」と題した国際ミニシンポジウムを、6月28日(土)に天王寺キャンパスのみらい教育共創館で開催しました。日本・ベトナムをはじめとするアジア地域における実践と理論の視点から、STEAM教育(*1)及び才能教育(*2)の最新動向について考える場として、学内外から計37人が参加しました。
同大学とは、2014年2月26日に本学と学術交流協定及び学生交流協定を締結しており、以降、研究交流などを継続的に行っています。
開会にあたり、岡本幾子学長は「本シンポジウムのテーマである『STEAM教育』と『才能教育』は、本学が推進するフラッグシップ大学構想において、極めて重要な位置づけにあります。本日、多くの知見が共有され、新たなネットワークが築かれることを心より願っております」と挨拶をしました。
続いて、以下の講演が行われました。
江藤 亮 教授(大阪教育大学 表現活動教育系)
「大阪教育大学におけるSTEAM教育」
Ngo Thi Phuong 博士(ホーチミン市師範大学 初等教育学部)
「ベトナムのSTEAM教科書と実践」
アンドリュー・ガン 氏(学研ホールディングス)
「国際連携と教材開発」
Bui Hong Quan 学部長(ホーチミン市師範大学 幼稚園教育学部)
「ベトナムにおける才能教育の理論と実践」
また、ベトナムにおける才能教育の実践例として、紙飛行機を作って飛ばすミニゲームも行われました。参加者はさまざまな形状の紙飛行機を制作し、実践の代表者にはベトナムの食文化や伝統に関するイラストが描かれたうちわが贈られました。
講演後には、登壇者全員によるパネルディスカッションが行われ、STEAM教育における「アート」の役割について意見交換を行いました。江藤教授の問いかけに対し、表現力や体験の楽しさ、愛着の形成といった点が重視されており「アートは単なる美術にとどまらず、アクティビティや人工知能(AI)など、人間の創造的成果全般を含むのではないでしょうか」といった意見が交わされました。
最後に、片桐昌直副理事・副学長が、今回のシンポジウムを契機として、今後さらに教員養成及び才能教育の取り組みを推進していく意向を表明しました。
*1 STEAM教育…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)を基盤とし、各教科の学びを実社会の課題解決に生かす教科横断的な教育
*2 才能教育…個々の子どもが、どのような才能、能力において優れた資質を備えているかを幼少児の段階で発見し、それぞれに応じた指導、訓練によりその才能、能力を発展させようとする教育

講演するNgo Thi Phuong 博士

講演するアンドリュー・ガン氏

講演するBui Hong Quan 学部長

参加者との集合写真
(学術連携課)