附属平野小でICT×手話言語学習のダイバーシティ教育授業

2022.07.22

附属平野小でICT×手話言語学習のダイバーシティ教育授業

 附属平野小学校は、7月7日(木)に、公益財団法人日本財団(以下、日本財団)から川俣郁美氏をゲストティーチャーに迎え、4年生約100 人の児童を対象として、タブレット端末を活用した手話言語に関する授業を実施しました。授業には、大阪市役所の職員や近隣の手話サークル、報道陣など約20人が見学や取材に訪れました。

 当日は、手話通訳士・手話通訳指導者の西田功氏が同時通訳をしながら行いました。はじめに、川俣氏が、3歳のときに高熱を出してろう者(*1)となった自身の体験談を交え、聴覚障がいの特性や手話について児童にクイズを出しながら解説しました。その後、児童らは、各自でタブレット端末をもちいて手話が公用語となっている架空の町を舞台とした手話学習ゲーム「手話タウン(*2)」を体験しました。カメラに向かって、旅行に持っていく服の色を指示したり、カフェで食べるものを注文したりと、様々なケースで自らが伝えたいことを繰り返し手話で表現しました。

 川俣氏は「手話では、単純な手の動きだけではなく、表情や身体の動きも重要です。手話を英語や中国語と同じ言語のひとつとして捉えていただき、もっと多くの人に楽しみながら気軽に学んでほしいと思います。そして何より、『伝えたい』『話したい』という気持ちを大切にしてください」と児童に語りかけました。授業後の休憩時間には、児童らは川俣氏へ「動きが難しい手話はありますか?」「『おいしい』はどうやって手話で表すんですか?」など、列をつくって質問していました。

*1ろう者は、耳の聞こえない人。特に手話を日常言語として用いる人をいう。

*2手話タウンは、ICT を活用してより身近に、より気軽に手話の学習を始められる教材として、日本財団と香港中文大学が共同で開発を進め、Google および関西学院大学の協力のもと 2021 年9 月 23 日の国連「手話言語の国際デー」に発表されたもの。学習者が学んだ手話をパソコンのカメラの前で表現すると、その手話表現が学習できたかを AI(人工知能)技術で確認することができる。ゲーム内のキャラクターが、手話を母語とするろう者の文化を説明するシーンもあり、手話や聞こえない人を理解する入口として活用することができる。

授業の様子がNHK「ほっと関西」で紹介されました

ゲストティーチャーの川俣郁美氏
ゲストティーチャーの川俣郁美氏

当日の様子

手話タウンを体験する児童
手話タウンを体験する児童

休憩時間中に質問に来た児童に「ありがとう」の手話を教える川俣氏(中央・奥が西田氏)
休憩時間中に質問に来た児童に「ありがとう」の手話を教える川俣氏(中央・奥が西田氏)

カメラに向かって手話をする児童にアドバイスをする川俣氏
カメラに向かって手話をする児童にアドバイスをする川俣氏

授業終わりに全員で「拍手」を表現する様子
授業終わりに全員で「拍手」を表現する様子

(附属平野小学校)