一般企業に所属する大学教員と産学連携授業を実施

2022.09.27

一般企業に所属する大学教員と産学連携授業を実施

 高度教職開発部門の峯明秀教授が担当する教養基礎科目の授業「アクティブ・ラーニング入門」で、一般企業に所属する客員教員と大学教授の協働による授業を、8月19日(金)と8月22日(月)に行いました。

 19日(金)は、ICT教材や教育用映像などの多様なコンテンツを活用して学校現場をサポートする株式会社学研教育みらいの麻生征宏客員准教授が登壇。附属平野小学校で、学生24名と児童7名による学習ゲーム教材「SDGsバランスタワーゲーム(*1)」の実証実験授業を行いました。午前中に教材の分析や指導案を作成した学生らは、午後は先生役となり児童らと学習ゲームに挑戦しました。

 22日(月)は、Google社の新田拓也客員講師が登壇。本学柏原キャンパスで、同社の提供サービスや指針、教育学部を卒業した自身の経験などを元に、ICTの活用事例や活用方法について解説しました。解説の後は、学生らは「Google Forms(*2)」で学校現場でも活用されるような小テストを作り、学生同士で問題を解き合いました。

*1 SDGsバランスタワーゲームは、大学院連合教職実践研究科の授業で院生らが検討・提出したアイデアのなかから、株式会社学研教育みらいが選定した教材(院2回生の河村萌花さんが構想案を作成)。ゲームを通して、仲間と協力したり教え合ったりしながら、SDGsについて学ぶことをねらいとしている。 

*2 Google Formsは、オンラインフォームやアンケートを作成して共有し、回答をリアルタイムで分析できるサービス。

授業の様子

19日(金)


麻生客員准教授(株式会社学研教育みらい)


学習ゲーム教材に挑戦する児童と学生

学生の感想
  • 普段の模擬授業では児童役は学生が担当することがほとんどなので、「授業の活動内容が対象年齢層相応であるか。楽しい授業ができているか」など不安に感じることも多いですが、この授業では附属小学校の児童から「すごく楽しかった」という言葉をもらうことができました。今回の授業を通して、活動内容を作るやりがいとともに、教員になりたいという気持ちが高まりました。
  • 実際に児童と接して、児童のふとした言葉や他の児童に対して投げかける言葉を知り、児童固有のコミュニケーションのとり方を学び、児童の行動や考えについてより理解を深めることができました。
  • 学生全員が「どうやったら児童が楽しみながらSDGsについて学べるか」という共通目標に向かって、ワークショップ形式で互いに意見を出し合いながら取り組むことができました。大学卒業後に教育現場で教材や教具を使って子どもと接する機会はあっても、それらを作る過程や改良・改善していく場面に立ち会えることはなかなかないと思うので非常に良い経験になりました。自分が教員になったとき、この授業で得た視点も大切にして、教材利用や教材改良をくりかえして、子どものためになることを積み重ねていきたいです。

22日(月)


新田客員講師(Google社)


お互いに作成したテストに挑戦する学生

学生の感想
  • Googleで大切にされている『Think 10x(何かを起こすときは10倍で考えよう)』という考え方がとても印象的でした。「10%増の小さなチューンナップではなく、10倍の大きな目標を立てて、その達成のためのプロセスを考え実行することで、大きな改革をめざす」という考え方は、教育と通じる部分もたくさんあるように思いました。
  • Google Formsを使ったテスト作りは、ICTだからこそ採点が自動でできたり、様々な問題形式を作れたりと幅が広がるのはとても良いなと感じました。一方で、どこまでを正解に設定しておくなど、気をつけるべき点や考慮するべき点にも気づくことができました。
  • 今まで知らなかった便利なGoogleの活用方法やツールなどを知ることができました。社会人になったときにPCを使いこなして効率よく仕事ができるように、今のうちにPCの技術や知識などの情報を得て、演習をしていこうと思います。

(高度教職開発部門)