「台湾の学校教育におけるカウンセリングと特別支援教育のシステム協働」と題したセミナーを、4月26日(水)に柏原キャンパスで開催しました。 このセミナーは、近年大きく学校教育のシステムが変革された台湾における児童生徒へのカウンセリング方法や、特別支援教育の充実と協働などについて学ぶことを目的に、教育学研究科 心理・教育支援コースが主催したものです。当日は、台湾の小学校でカウンセラー教員として勤務しながら台北市立大学博士課程に在学中のWen-sung Peng氏を招いて開催し、学生や教職員らが参加しました。
最初にPeng氏は、台湾にはカウンセラー教員が学校に配置されていること、カウンセラー教員が、児童へのメンタルヘルス教育・要支援児童の保護者や教員からの相談に対するアドバイスなどを行い、インクルーシブ教育を支えるための大きな役割を担っていることを紹介しました。 Peng氏は、自身が勤務する学校では支援ニーズのある子どものほとんどが通常学級に在籍しており、学級担任、カウンセラー教員、特別支援教員、保護者とが連携して支援にあたっていることなど、特別支援教育の協働について話し、「今後さらにカウンセラー教員の専門性を高めたい」と展望を語りました。セミナーの最後には質疑応答が行われ、参加者らは、日本の教育現場でよくあるシチュエーションに台湾ではどのように対応しているかなど、より深く台湾の特別支援教育について学びました。
セミナーの参加者からは「カウンセラー教員は、公認心理師と教員の両方の業務を担っていることや、必要な支援の種類でアプローチする先生が違っても、たくさんの人が関わり協働しているところがとても参考になった」「台湾と日本を比べて違うところがあるが、双方の良い所を併せるともっとよくなると思った」などの感想が寄せられました。
セミナーの様子
講演をするPeng氏
(大学院教育学研究科 心理・教育支援コース)