本学教員養成課程音楽教育講座の猿谷紀郎(さるや としろう)准教授が,第62回「尾高賞」に輝きました。日本の現代音楽の作曲家に与えられる作曲賞で,日本で最も長い歴史があります。 受賞作品は,交響詩『浄闇(じょうあん)の祈り2673』(伊勢神宮式年遷宮広報本部委嘱,33分)です。猿谷准教授は3回目の受賞となります。 2013年秋に行われた式年遷宮は,20年に1度社殿を建て替えてご神体を遷す,伊勢神宮において最も重要な儀式です。猿谷准教授は,伊勢神宮や神社本庁などでつくる式年遷宮広報本部から,伊勢から世界に発信される奉祝曲の作曲を委嘱されました。委嘱後,曲のイメージを膨らませるため神宮を訪れ,深夜の神事「神嘗祭(かんなめさい)」などの儀式に参拝し,神木の枝葉を揺らす風など森と自然の様子,彼方からの霊感,言葉にできない感慨深いものを体感したといいます。交響詩は昨年10月,円光寺正彦指揮,読売日本交響楽団によって初演され,注目を集めました。 猿谷准教授は「神を意識しての作曲は初めてのことで,わたしの範ちゅうを超えた胸の高まる思いでした。どのような曲に仕上げるか悩みましたが,神宮をお参りし,心と体で感じた何かを音で綴った作品を,高く評価していただいたことを嬉しく思いました」と話しています。 なお,受賞曲は,6月27日(金)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開催される「MUSIC TOMORROW 2014」(指揮:高関健)で演奏されます。
(総務企画課)