本学大学院教育学研究科美術教育専攻の向川千世(むかいがわ ちせ)さんが,全国的な立体アートコンペで優秀賞に輝きました。若手芸術家の発掘,支援,育成をめざして実施している立体アートコンペ「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペンション2011」(AAC,事務所・東京)で認められたものです。 同コンペは11回目を迎え,昨年6月から9月までの約3か月間,全国の美術を学ぶ学生から作品を募集しました。審査員には,世田谷美術館館長で彫刻に関する著書も多い評論家の酒井忠康氏らが当たり,最終審査が昨年12月,東京都墨田区の「両国2プロジェクト(ステージファースト両国アジールコート)」を会場に実施されました。 28点のハイレベルな作品が集まった一次審査で選ばれた3人が,展示場所となった同会場のエントランスホールに,実制作した作品を1点ずつ仮設置してプレゼンテーションを行いました。 受賞した向川さんの作品テーマは「時を紡いで」。高さ160㎝,幅90㎝,奥行き40㎝の大きさで,素材はFRP(繊維強化プラスチック)です。 向川さんは,建築物の空間を有効に使い,彫刻作品を人々が身近な存在に感じられるものにしようというコンペの目的に賛同しエントリーしました。受賞の喜びを語るとともに,「建築物と彫刻作品が調和してどのような空間になるかということは,実際に展示してみることによって初めて分かるものがあり,空間の演出の難しさを感じました」と感想を述べています。また,今後の抱負については,「今回のコンペで,1つの自分のスタイルや作品のシリーズが生まれたように思います。今後もっと作品を練り,作品数を増やしていきたい。いずれまた何かの形で発表したいと思います」と意欲的に語っています。 指導教員の加藤可奈衛准教授は「非常に才能のある学生である向川さんの作品がこのように評価されたことは本人にとって大きな意味があり,今後もますます活躍してくれることでしょう。また,本学の美術教育専攻学生にとって大きな励みにもなり,とても大きな刺激になると思います」と話しています。
(企画課広報室)