第10回スクールリーダー・フォーラムを11月27日(土),天王寺キャンパスで開きました。これは,スクールリーダー・プロジェクト(SLP)事業の一環で,現場で求められるスクールリーダーの“学びの場”をつくることをめざし実施しています。当日のフォーラムでは「スクール・リーダーの実践力育成-ケースメソッド学習入門」をテーマに,グループワーク,講演会,パネルディスカッションへ,約90人の教育関係者が参加しました。 2003年3月にスタートした同フォーラムは,今回で第10回を数え,これまで「学校教育自己診断」「専門大学院づくり」「授業評価」「大学と教育委員会とのコラボレーション」「経営革新プロジェクト事業」などをテーマに取り上げてきました。
今回は,スクールリーダーを育成する方法としても効果的とみられる「ケースメソッド学習」(註)に焦点を当てました。これまで「ケースメソッド学習」についてのセミナーを4回にわたって実施し,受講者は,実践力の育成を体験してきました。 第1部は,受講者らが自己の学びを振り返るグループワークを実施し,ケースメソッド教育の意義と課題を話し合いました。第2部では長尾彰夫学長の挨拶に続き,プロジェクトに参加している田中保和教育監(大阪府教育委員会),沼守誠也教育次長(大阪市教育委員会)が挨拶しました。続いて,ケースメソッドを第一線で研究している竹内伸一特別研究講師(慶應義塾大学大学院経営管理研究科),佐野享子准教授(筑波大学大学院ビジネス科学研究科)が講演しました。また,セミナー受講者の下川清一氏(大阪府立野崎高等学校長),大矢根克典氏(堺市立月州中学校首席),井出一志氏(大阪市立都島小学校首席)の3氏が,ケースメソッド学習の体験と感想を語りました。 フォーラム事務局長の大脇康弘教授(本学教育学部)は「今回のフォーラムでスクールリーダーを育成する,ケースメソッド学習の第一歩にしたい」と話しています。
ケースメソッド学習(授業):欧米諸国では経営教育の中心で,日本でもMBA取得を目的としたビジネススクールで盛んに実施されており,学位を授与するところもある。学習スタイルは,講師が一方的に講義をするレクチャー型ではなく,ケース教材をもとに受講生同士が相互に討議することで学び合い,教え合う授業方法である。自ら問題に対処する実践力を培おうというのがねらいで,竹内氏,佐野氏らは「学びの共同体による講師と受講生との協働作業」と位置づけている。
(企画課広報室)