トピックスバックナンバー(2011年~2020年)

2017.02.16

「多読指導」をテーマに英語教育ワークショップを開催

 多読をテーマにワークショップ「多読指導と英語教育」を,12月23日(金・祝)に天王寺キャンパスで開催し,現職教員ら約70人が参加しました。
 多読とは,文法などの細部にとらわれず数多くの本を読むことで外国語を習得する学習法です。同ワークショップは,HATOプロジェクト(*)「教職基礎体力を備え国際感覚に優れた教員の養成充実に向けた改革プロジェクト」の成果公開として実施しました。
 本学教員養成開発連携センター長の入口豊理事・副学長の開会挨拶の後,日本多読学会の前会長であり,現在国際多読教育学会で理事を務める高瀬敦子氏が,「多読指導で英語運用能力向上」と題して基調講演を行い,多読の目的とその方法・効果について説明しました。高瀬氏は「学習者のレベルに合わせて易しい本から始めることができる多読は,英語嫌いや苦手意識といった問題を解決しうるとともに,その効果は『聞く,話す,読む,書く』の英語4技能全ての向上につながっていく」として,多読の有用性を説きました。
 続いて,多読指導を行っている講師から,新しい読書の楽しみ方として近年広まっている書評会「ビブリオバトル」を使った多読実践,授業内における「10分間多読」,児童期からの多読などの報告がありました。また,事例紹介として,カナダにおける多読教育の取り組みや,本学外国語学習支援ルーム及びランゲージチャットルームでの取り組みが紹介されました。
 今回のワークショップを企画し,司会進行を努めた本学の吉田晴世副学長は「多読指導はあらゆる校種で活用でき,本学でもグローバル化に対応した教員養成のために,英語運用能力を高めるべく多読を推進しています。今後も学校現場への発信や意見交換を行いながら,英語教育の充実に向けて取り組んでいきたい」と述べました。
 参加者からは,「明日から使えるものが詰まっており,とても勉強になった」「英語は楽しく学ばなければということを実感した」「多様な年齢,学力の生徒に対する多読指導を多角的に学べて有意義だった」などの感想が寄せられました。

*HATOプロジェクト…北海道教育大学(H)愛知教育大学(A)東京学芸大学(T)大阪教育大学(O)による連携事業(文部科学省国立大学改革強化推進事業)

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[右写真] 国際多読学会理事の高瀬敦子氏

(大学改革強化推進事務室)