本学学生約20人で構成する,写真をツールとして情報発信するサークル「FILM」が,東日本大震災に関する写真展「FILMが写した世界」を,12月15日から21日まで柏原キャンパス大学会館大ホールで開催し,学生・職員ら約600人が訪れました。 本学が学生の自主的な活動を支援する「学生プロデュース」採択企画で,3回目の開催となります。同サークルが今年3月と8月に岩手県陸前高田市,大槌町,遠野市を訪れて撮影した人物や風景,スナップなど約30点が展示されました。 写真には,「震災追悼施設」で千羽鶴とともに「千の風に乗って大好きな人に逢えますように」と願いを込めた短冊,陸前高田市で7万本あった松原で唯一残った「奇跡の一本松」,直筆のサインが書かれた現地で出会った人のポートレイトなどが並びました。 訪れた学生らは「被災地が今でも復興があまり進んでいないことが改めてわかり,今の自分に何ができるか考え直すきっかけになった」「地元の人の日常を写真の中に感じ,自分も行きたくなった」「メッセージ性のある写真ばかりで心打たれた。写真に添えられた文章もすごくよかった」「入った時からずっと鳥肌が立っていた。本当に見に来てよかった」などと感想を語りました。 同サークルは,陸前高田市内約170kmに渡る津波到達ラインに桜の木を植えるボランティア「桜ライン311」にも参加。桜ラインの代表理事や陸前高田市役所,陸前高田市立米崎小学校,遠野市消防長などに,現在の活動内容や当時の様子などを語ってもらい,取材記録リーフレットを作成しました。 同サークル代表の衣笠初夏さん(特別支援教育教員養成課程3年)は,「これまでは建物中心だったが,今回はより人に寄り添って写真を撮った。人の存在を感じてもらい,見た人に行きたいと思ってもらいたかった」と写真展の趣旨を話し,「ここで沢山の人が亡くなった。大切な人を失った気持ちは消えない。震災から5年が経過したが,そのことを忘れてはいけない」と語りました。
[左上写真]震災追悼施設に手向けられた千羽鶴と願いの短冊[右上写真]「奇跡の一本松」の写真に見入る来場者[左下写真]現地で出会った人々のポートレイト[右下写真]来場者にプレゼントされたポストカード
(広報室)