本学附属幼稚園が,本学大学院教育学研究科芸術文化専攻音楽研究コース修了生で盲目の声楽家として活躍している濱田直哉氏と盲導犬のソニックを招き,「うたの日」を12月21日(木)に開催しました。濱田氏が園児や保護者ら約250人の前で歌声を披露し,講演を行いました。 保護者向けの講演で濱田氏は,中学生の頃から徐々に視力が衰え,将来に希望が持てなくなったことや,声楽を志すきっかけになった盲学校での恩師との出会いなどを話しました。また,「大学では白杖で生活していたが,駅で柱にぶつかって大けがを負い,外に出るのが怖くなった。盲導犬と出会ったことで精神的負担が軽くなった」と語りました。話の合間にはドイツ歌曲を歌い,視覚障がいのある人に出会ったらどう声を掛ければいいかといったことも話しました。 園児向けの講演会では,「盲導犬がハーネスを付けている時は,仕事中だということ。触ったり声を掛けたり,食べ物を与えたり,嫌がることをしたりしてはいけない。嫌がることをしないのは犬に対してだけでなく,友達にも同じだよ」と優しく語りかけました。また,「春の小川」や「赤とんぼ」など四季の歌を披露し,最後は全員で「あわてんぼうのサンタクロース」を大合唱しました。講演後には,濱田氏とソニックが園児たちのいる保育室を訪問し,ソニックはハーネスを外して普通の犬として触れ合いました。 園児たちは「とってもきれいな声で,どうしてそんな声が出るのかなと思った」「ソニックはかしこくてすごい」「盲導犬になるための試験はあるのかな?」などと感想を話しました。小池美里副園長は「濱田さんとソニックに出会ったことによって,子どもたちが多様性を認め合い,思いやりの気持ちを育んでくれることを願っています」と話しました。
濱田氏の歌声に聞き入る園児と保護者たち
盲導犬ソニックとの触れ合い
(附属幼稚園)