大学院教育学研究科 健康科学専攻【天王寺キャンパス】(夜間)
大学院教育学研究科 健康科学専攻【天王寺キャンパス】(夜間)
個人と家族、地域、社会における健康で文化的な生活を探求
●取得可能な免許状
中学校教諭専修免許状 [ 保健体育 ]
高等学校教諭専修免許状 [ 保健体育 ]
養護教諭専修免許状
※専修免許状の取得には、取得しようとする免許状に対応した一種免許状を有している必要があります。

目的
健康科学専攻では、心身の健康の維持・増進、生涯にわたる学習、高齢者の生活、スポーツ実践など、様々な領域の新しい課題に取り組んでいくため、健康問題についての高度な専門的知識と能力を持つ専門的職業人の養成を目的としています。そのために、専攻に人間科学、健康生活、スポーツの3つのコースを設け、主として現職の社会人を対象に、個人と家族、地域と社会における健康で文化的な人間生活の理論的・実践的課題について総合的に教育研究を推進し、高度な専門的知識と能力をもつ指導的人材を育成することを目指します。
概要・特色
今日の科学技術や経済社会の著しい発展により、人間をとりまく環境が大きく変貌し、伝統的な人間生活が急速に変わりつつあります。その中で社会の成熟や高齢化・高学歴化が進み、長寿社会・生涯学習社会に向かうことが不可避となってきています。これに伴い、心身の健康の維持・増進、生涯にわたる学習、高齢者の生活など、人間生活をめぐる様々な領域に新しい課題が生じてきています。これからの社会が、このような課題に取り組んでいくためには、人間の身体的・社会的・文化的環境とその調和について、高度の知識と素養を備えた人材の育成が求められています。また、関連の職域では、高い専門的能力を備え職場の活性化と創造的な変革の担い手となる人材が求められています。
本専攻は、個人と家族、地域と社会における健康で文化的な人間生活の理論的・実践的課題について、総合的・学際的な研究教育を行うことを目的に設置されました。そして主として現職社会人を対象に夜間及び土曜日に授業を行い、職務上の課題に立脚しつつ、幅広い見識とともに高度の専門的素養や研究能力を養うための能力開発や再教育を行います。
人間科学コース | 生涯教育学・図書館情報学/発達人間学/職業科学研究 |
健康生活コース | 人間生態学研究/心身健康学研究/生活科学研究 |
スポーツコース | スポーツ研究 |
在籍する大学院生の大部分は社会人であり、企業等の健康開発部門や研修教育部門の担当者、生涯学習、社会教育、保健・助産・看護・医療・スポーツ関連分野の実務担当者、文化・医療・福祉等の行政に携わる人など多岐にっています。また一部学部出身の大学院生も在籍しています。このように職業も年齢も様々な大学院生が共に学び、交流を深めることによって新たな人間関係を構築することができます。入学時には、高い専門的技術を有する実務者であった方々が、修了後には、学問に対するモチベーションの向上により大学等の教育・研究機関に教員として属される方々も見受けられます。
また教員免許に関して、一種免許を持って入学した大学院生は保健体育(中学、高等学校)及び養護教諭の専修免許が取得可能です。昼間は社会人としての勤めを果たし、夜間に大学院で学び、さらには修士論文を作成するための研究を行う2年間はハードですが修了後の達成感は何にも代えがたい貴重な体験となるはずです。
健康科学専攻の授業の実施方法
次のとおり平日は夜間に、土曜日は午後及び夜間に授業を行います。
平日 | 夜間2時限 18:00 ~19:30/19:40 ~21:10 |
土曜日 | 午後2時限 14:40 ~16:10/16:25 ~17:55 夜間2時限 18:00 ~19:30/19:40 ~21:10 |
主な開講科目(令和2年度)
人間科学コース
教育研究分野 | 授 業 科 目 | 単位数 | 担 当 教 員 | 授 業 内 容 | 履修区分 | 履修年次指定 | |
生 涯 教 育 学 ・ 図 書 館 情 報 学 | 生涯教育組織論特論 | 2 | 堀 薫夫 | 生涯学習・学習社会・生涯発達に関して,テキストに沿いながら,基本的内容の整理を行う。 | 選択必修 | ||
生涯教育組織論演習 | 2 | 令和2年度開講せず | 選択 | ||||
学習社会論特論 | 2 | 堀 薫夫 | 成人教育の理論と研究法に関する内外の文献を輪読し議論を深める。 | 選択 | |||
生涯発達論演習 | 2 | 令和2年度開講せず | 選択 | ||||
生涯教育計画論特論 | 2 | 選択 | |||||
生涯教育計画論演習 | 2 | 出相 泰裕 | 生涯教育に関して基本的な事柄を確認しながら、生涯教育の中でも高等教育段階に焦点を当て、その意義や課題について、テキスト(出相泰裕編著『大学開放論-センター・オブ・コミュニティ(COC)としての大学』)やその他の文献の講読及び討議を通じて検討する。 | 選択 | |||
大学開放論 | 2 | 出相 泰裕 | 新堀通也編『夜間大学院-社会人の自己再構築-』の中の「夜間大学院生による自分史」を読み、院生がどのような経緯で院に入学に至ったのか、また仕事や家庭を抱える社会人が大学院に通うというのはどういった経験なのかなどについて、ライフコース研究の知見を参考にしながら、討議を交えつつ検討する。また受講生にも自分の学習史を振り返ってもらい、どういった過程を経て自分が大学院入学に至ったのかについて発表してもらう。 | 選択 | |||
生涯学習と図書館 | 2 | 高鍬 裕樹 | 生涯学習社会における図書館のあり方と利用法について,理論的側面と実践的側面から考究し,より利便性の高い活用法を検討する。 | 選択必修 | |||
図書館情報システム特論 | 2 | 令和2年度開講せず | 選択 | ||||
図書館情報システム演習 | 2 | 選択 | |||||
情報システムと図書館 | 2 | 選択 | |||||
職 業 科 学 研 究 | 社会行動論特論 | 2 | 寺坂 明子 | 社会科学分野の研究法、特に医療、看護、福祉、教育などの実践の場において行われる介入研究の手法やデザインについて、基礎的な事項を学ぶ。さらに、医療、看護、福祉、教育などの領域で行われた様々な研究論文の購読を通して、研究報告における必須事項を知り、研究を適切に評価できるようになることを目的とする。 | 選択 | ||
社会行動論演習 | 2 | 医療、看護、福祉、教育などの領域で行われるさまざまな研究デザインについて学び、特にシステマティック・レビューの方法について、文献を購読しながら理解を深める。さらに、各自が関心のあるテーマでのレビューを実際に行い、報告のガイドラインにしたがってレポートを作成する。「社会行動論特論」の受講を前提とする。 | 選択 | ||||
組織行動学特論 | 2 | 安達 智子 | 現代社会における産業・組織への移行と適応、組織における行動、キャリア形成にまつわる文献を輪読する。産業・組織における人々の行動は、個人の変化や成長と環境、人々との相互作用を通じて繰り返されるダイナミックなプロセスである。この授業では、受講者自身の生き方や働き方そして組織適応のあり方について振り返りを行い、それらを題材にしながら諸理論について学ぶ。また、個人のキャリア形成に対する支援や介入の方策について考える。 | 選択 | |||
組織行動学演習 | 2 | 組織における人々の行動や心的傾向の測定法として代表的な質問紙法と調査的面接法について学ぶ。前半部分は、文献を輪読しながら質問紙調査の計画と実施や注意点について理解を深める。後半部分では、組織で働く人々を対象とした調査的面接の計画と実施ならびに注意点について実践的に学ぶ。 | 選択 | ||||
人間関係論特論 | 2 | 下村 陽一 | 個人の行動を他者との相互作用の観点から捉える社会心理学的視点に基づき,研究知見の紹介を通して日常生活における人の行動のメカニズムについて検討する。 | 選択必修 | |||
人間関係論演習 | 2 | 人間関係を規定するコミュニケーションの構造と機能を,語用論(pragmatics)の視点から論述した文献を輪読し,発表と討議を通して日常生活における人の行動の意味について考察を深める。 | 選択 | ||||
発達人間学 | 発達人間学特論I | 2 | 山口 正寛 | 子どもの養育と子どもの心理社会的発達に関する重要論文をレビューしながら,養育と子どもの心理社会的発達に影響を与えうる要因について議論を通して検討する。 | 選択必修 | ||
発達人間学特論II | 2 | 石橋 正浩 | 量的調査による研究の実施に最低限度必要となる調査法とデータの分析手法について講義と演習を行う。授業時間外での予習復習をおこなっていることを前提とする。表計算や統計解析ソフトウェアを使用するので、PCの操作に慣れておくこと。 | 選択 | |||
発達人間学特論III | 2 | 新崎 国広 | ソーシャルワークや福祉教育,教育協働をテーマに,「チームとしての学校」「子どもの貧困」など,福祉と教育の協働をテーマに講義・演習を行う。 | 選択 | |||
発達人間学ゼミナールI | 2 | 山口 正寛 | 修士論文指導の対象者のみの受講とし,各自の研究テーマに即した個別指導を行う。 | 選択 | |||
発達人間学ゼミナールII | 2 | 石橋 正浩 | 各自の研究テーマに即した資料の講読や討論をとおして,各自の研究課題に対する認識を深めてゆく。発達人間学分野在籍者のみを対象とする。 | 選択 | |||
発達人間学ゼミナールIII | 2 | 新崎 国広 | 修士論文指導の対象者のみの受講とし,各自の研究テーマに即した個別指導を行う。 | 選択 | |||
(課題研究) | 課題研究I | 3 | 全員(兼担教員及び非常勤講師を除く) | 修士論文研究の基礎となる調査研究について指導を行う。 | 必修 | II | |
課題研究II | 3 | 必修 | II |
健康生活コース
教育研究分野 | 授 業 科 目 | 単位数 | 担 当 教 員 | 授 業 内 容 | 履修 区分 | 履修年次指定 | |
人間生態学研究 | 人間生態学特論 | 2 | 令和2年度開講せず | 選択必修 | |||
人間生態学演習 | 2 | 選択 | |||||
健康教育学特論 | 2 | 選択 | |||||
環境健康学特論 | 2 | 永井由美子 | 環境の中で特に物理的・化学的環境因子(温度,湿度,光,放射線,空気,水など)が人間の健康に及ぼす影響について考究する。 | 選択必修 | |||
環境健康学演習 | 2 | 環境と健康に関する国内外の文献講読を通じて,環境要因が健康に及ぼす影響とその予防について学ぶ。 | 選択 | ||||
人間生態学ゼミナールI | 2 | 令和2年度開講せず | 選択 | ||||
人間生態学ゼミナールII | 2 | 永井由美子 | 人間生態学分野の修士論文の研究テーマに即した調査研究方法について文献学習を中心にゼミ形式で行う。 | 選択 | |||
心身健康学研究 | 地域健康管理学特論 | 2 | 松本 鉄也 | 現代社会における健康管理学の諸問題について,地域の立場から概説する。 | 選択必修 | ||
地域健康管理学演習 | 2 | 受講者が健康管理,健康増進に関する情報を演習形式で発表し,全員で議論する。 | 選択 | ||||
心身健康学ゼミナールI | 2 | 榎木 泰介 | 修論指導の対象者のみの受講とし,健康生理学とその周辺分野に関する課題について,ゼミナール形式で討論する。 | 選択 | |||
心身健康学ゼミナールII | 2 | 松本 鉄也 | 修論指導の対象者のみの受講とし,健康に関するテーマに各自が主体的に取り組み,関連情報を幅広く収集し,議論する。 | 選択 | |||
健康生理学特論 | 2 | 榎木 泰介 | 健康科学の立場から,科学的・論理的な視点をもって発表と討議を行う。テーマは受講者の研究計画などについて。 | 選択 必修 | |||
健康生理学演習 | 2 | 健康科学に関する分野における研究・実験について,研究背景と方法論を中心に検討を行う。 | 選択 | ||||
生活科学研究 | 居住環境学特論I | 2 | 碓田 智子 | 少子・高齢社会における住まいづくりやまちづくりのあり方を,地域性の視点を含めながら身近な課題から考察する。 | 選択 | ||
居住環境学特論II | 2 | 家族の変化と住まい,住生活や住まい方と居住空間の関係を考察するとともに,居住空間を図面や模型で表現することで理解を深める。 | 選択 | ||||
生活科特論Ⅰ | 2 | 西川 章江 | 健康と食生活,食の安全などをテーマに,食生活科学の視点から身近な生活の課題を概説する。 | 選択必修 | |||
生活科特論Ⅱ | 2 | 私たちの生活における多様な食生活科学分野の課題を取り上げ,科学的・論理的に考究していく。 | 選択 | ||||
生活科学ゼミナールⅠ | 2 | 修士論文指導の対象者のみの受講とし,食生活科学分野の研究課題と研究方法をゼミナール形式で検討する。 | 選択 | ||||
生活科学ゼミナールII | 2 | 碓田 智子 | 修論指導の対象者のみの受講とし,健康住生活学及びその関連分野の重要な課題について,ゼミ方式で討論・研究する。 | 選択 | |||
(課題研究) | 課題研究I | 3 | 全員(兼担教員及び非常勤講師を除く) | 修士論文研究の基礎となる調査研究について指導を行う。 | 必修 | II | |
課題研究II | 3 | 必修 | II |
スポーツコース
教育研究分野 | 授 業 科 目 | 単位数 | 担 当 教 員 | 授 業 内 容 | 履修区分 | 履修年次指定 | |
スポーツ研究 | スポーツ科学論特論I | 2 | 橋本 恒 | スポーツ現場においてバイオメカニクス的見地がどのように活用されているか実践例(スポーツ医学を含む)を用いて検討していく。 | 選択 | ||
スポーツ科学論特論II | 2 | 生田 泰志 | 近年,スポーツ科学は発展し,その研究成果は数多くのスポーツ活動に役立てられている。この講義では,スポーツ科学がスポーツ活動の現場において,どのように活用されているのかを,その実践例の紹介を中心に進めていく。 | 選択必修 | |||
スポーツ科学論特論III | 2 | 吉田 雅行 | 特にボールゲームに関する集団的なパフォーマンスを向上させるために必要となるであろう諸要因を検討していく。 | 選択 | |||
スポーツ科学論特論IV | 2 | 松原 英樹 | ヨーロッパのボールゲーム(特にサッカー)の普及と発展を概説し,特に育成年代の指導方法の事例を紹介しながら,日本での育成年代に対するコーチングを検討していく。 | 選択 | |||
スポーツ科学論特論演習Ⅰ | 2 | 令和2年度開講せず | 選択 | ||||
スポーツ科学論特論演習II | 2 | 生田 泰志 | スポーツ研究の学生のみを対象として開講する。各自の研究テーマや実践的なスポーツ科学に関連した課題についてゼミ形式で討議,研究を行う。 | 選択 | |||
スポーツ科学論特論演習III | 2 | 吉田 雅行 | スポーツ研究の学生のみを対象とし,各自の研究テーマや実践的なスポーツ科学に関連した課題についてゼミ形式で討議,検討を行う。 | 選択 | |||
スポーツ科学論特論演習IV | 2 | 令和2年度開講せず | 選択 | ||||
スポーツ文化論特論 | 2 | 千住真智子 | 人間の身体運動文化であるスポーツ・武道・舞踊にみられる身体表現を舞踊学的分野の研究及び身体,現象学的視点からの研究を踏まえ探求する。人間の身体表現への見方,考え方の拡がりと理解を深め,身体表現に関する今日的課題,将来的展望について検討する。 | 選択 | |||
スポーツ文化論特論演習 | 2 | 修士論文研究の基礎となる諸研究について指導を行う。 | 選択 | ||||
(課題研究) | 課題研究I | 3 | 全員(兼担教員及び非常勤講師を除く) | 修士論文研究の基礎となる諸研究について指導を行う。 | 必修 | II | |
課題研究II | 3 | 必修 | II |
令和2年度 現学生数・入試結果
現学生数 | 受験者 | 合格者 | 入学者 |
57 | 37 | 26 | 25 |
※現学生数は令和2年5月1日現在の人数です。
修了生の進路(過去3年間の集計)
教員(大阪府内) | 教員(大阪府以外) | 教員率(左記計) | 企業 | 公務員 | 進学 | その他 |
28% | 5% | 33% | 31% | 10% | 3% | 23% |
教員紹介 (教員総覧にリンクしています)
人間科学コース
[教 授]安達 智子・石橋 正浩・出相 泰裕・堀 薫夫
[准教授] 高鍬 裕樹・寺坂 明子
[特任教授]新崎 国広・下村 陽一
[特任准教授]山口 正寛
健康生活コース
[教 授] 碓田 智子・永井 由美子・松本 鉄也
[准教授] 榎木 泰介・西川 章江
スポーツコース
[教 授] 千住 真智子・吉田 雅行・生田 泰志
[特任准教授]松原 英輝
[特任助教]橋本 恒