「障害と人権―Society for all(みんなのための社会)―」をテーマとして,第37回人権教育全学シンポジウムを12月4日(木),八尾市文化会館プリズムホールで開催しました。人権尊重の意識を高め,大学構成員として課題を共有する機会として開かれ,学生および教職員あわせて776人が来場しました。 栗林澄夫学長の挨拶の後,特定非営利活動法人自立生活夢宙センター代表の平下耕三氏が,先天性骨形成不全症という難病と闘う自身の体験を講演し,「障がい者にとっての自立とは,障がいを許容しながら自分自身で生き方を選択し,歩んでいくことです。そのためにも,一人ひとりが主役として輝ける社会の構築が必要です」と訴えました。 次いで学生報告として,山森一希さん(特別支援教育1回生)と濱田直哉さん(大学院芸術文化専攻1回生)が演台に立ちました。脳性麻痺を抱え,車いすで通学する山森さんは,多くの友人の支えにより困難を克服できたとして,出会いへの感謝を語りました。濱田さんは盲導犬と通学していることから,物理的・心理的両面でのサポートについて話し,学生に向けて,食べ物を与えない,声をかけないなどの注意を呼びかけました。 休憩をはさんだ後,人間科学講座の新崎国広准教授を司会に,平下氏のほか,障がい学生修学支援ルームの池谷航介コーディネーター,障がい学生修学支援ルームスタッフの飛鳥居奈央さん(特別支援教育4回生),介護ボランティアサークル所属の樋口浩平さん(理科教育専攻4回生)によるパネルディスカッションがありました。支援する側とされる側の視点から,障がい者支援の在り方について討論を展開し,支援活動によって得られたことや障がい者への認識の変化,支援の有償,無償の是非などの意見が交わされました。 本学は今後も,人権問題への全学的な啓発活動を推進します。
[左写真]講演する平下耕三氏(特定非営利活動法人自立生活夢宙センター代表)[右写真]パネルディスカッションの様子
(総務企画課)