本学教員養成課程海外教育実習体験実施WG主催の講演会を,台湾・国立高雄師範大学附属高級中学・小学部主席の馬嘉瑜(MA, JIA-YU)氏と台湾・東呉大学講師で本学大学院卒業生の張桂娥(CHANG, KEI-E)氏を講師に迎え,7月25日(金)に柏原キャンパスで開催しました。 テーマは「台湾における教育の課題と教師養成プログラム―台湾の子ども,親,教育を考える」です。「大学院教育高度化プロジェクト―大学院生のアジアにおける教育実習体験プログラムの構築―」に基づく事業の一環として催されたもので,海外教育実習体験プロジェクトの実習生II期生とIII期生の18人を中心に,海外教育実習体験実施WGメンバー,教員養成課程所属教職員,留学生など約30人が参加しました。 まず,張氏が,「台湾の教育事情―子どもへの熱心な教育期待の社会的背景をめぐって―」の演題で,少子化がもたらす危機と転機,多文化主義社会構築への基盤整備,国際競争力強化に向けた人材育成の問題など,21世紀の台湾の子どもをとりまく教育事情について論じました。次いで馬氏が,「多文化との融合 発展する台湾の小学校教育」の演題で,台湾の小学校教育の発展過程と問題への対応,高雄師範大学附属小学校の状況と特色を,実際の教材や実践の映像なども用いながら提示しました。いずれの講演も,豊富な事例が示されわかりやすくユーモアのある内容で,日本と台湾との深い交流についても言及されました。講演後のディスカッションでは,台湾の教育・家庭・多文化をめぐる現状について,活発な意見交換が行われました。 両氏は講演会の前には,栗林澄夫学長を表敬訪問したほか,10月の研究授業のための指導案検討会においても貴重な意見を述べました。 10月に高雄師範大学附属小学校で研究授業と観察実習を行う予定の実習生たちにとって,台湾の教育事情やその背景となる文化・社会について貴重な情報を得る機会となりました。実習生たちは,「わかりやすい言葉でお話いただき,台湾に対する理解が深まりました」,「実習に行く楽しみが増えました」と,実習への意欲を高めていました。
[左上写真]馬嘉瑜氏[右上写真]張桂娥氏[左下写真]栗林学長を表敬訪問[右上写真]指導案検討会での様子
(教員養成課程)