「学校づくり実践を物語る―大学・学校・教育委員会のコラボレーション―」をテーマに「第13回スクールリーダーフォーラム」を11月23日(土),天王寺キャンパスで開催し,定員を上回る90人を超える参加がありました。 このフォーラムは,大阪教育大学・大阪府教育委員会・大阪市教育委員会合同プロジェクトとして進めてきましたが,今回は福井大学教職大学院と鳴門教育大学教職大学院の組織協力を得て,5組織協働の取り組みとなりました。参加者の顔ぶれは,第一線で学校づくり実践を展開している学校教職員,教育委員会・教育センター職員,大学教員の三者で,ラウンドテーブルという「同じ土俵」で協働の取り組みが繰り広げられました。 第1部は,3組織の代表として,栗林澄夫大阪教育大学理事・副学長,大阪府教育委員会津田仁教育監,大阪市教育委員会沼守誠也教育次長のあいさつで始まり,フォーラムの今日的意義やスクールリーダーの学びへの期待を表明しました。 基調講演は,鳴門教育大学教職大学院の佐古秀一教授(専攻長)が「学校の内発的改善力を高める組織開発 ―理論知と実践知の対話―」と題して熱く語りました。同教授が提起した元気の出る学校づくりの理論モデルと実践に,参加者は刺激を受けました。次に「学校現場からの発信」と題して,大阪市立友渕小学校水野和幸校長が「学校経営ビジョンの計画・立案・点検について」,大阪府立泉鳥取高等学校山口陽子校長が「『やる気の芽』を育てる ―若手教員と生徒を共振させる学校経営―」について実践報告を行いました。 続いて,ピアノとチェロの共演がありました。本学の田中紘二名誉教授と大木愛一教授が「今,命を見つめる音の世界」と題して,カザルス編「鳥の歌」などを演奏し,豊かな音の世界に参加者は耳を傾けました。 第2部では,参加者がラウンドテーブル(180分間)に取り組みました。ラウンドテーブルは,校種・職位・地域など,異なるミニグループ(6人)に分かれて,スクールリーダー2人が学校づくり実践をじっくり語り,参加者が聴き合う活動です。学校づくり実践の道筋をたどり,学校の課題,改革の困難さ,創意工夫された取り組みなどに触れて,参加者一人ひとりが学校の現状認識を新たにし,実践展開を考える契機になりました。 続いて,同志社女子大学の水本徳明教授による総括講演が行われました。「スクールリーダーの学校づくり ―現在から未来へ―」と題して,第1部の基調講演から第2部のラウンドテーブルを概観し,「物語ったそれぞれの実践が本当なのかを問い直し、明日の学校づくりにつなげてほしい」と締めくくりました。 基調講演と総括講演,ラウンドテーブルが双方向的につながり,参加者が学校づくりの理論と実践を考える「学びの場」をつくりあげていきました。現場の最前線に身を置くスクールリーダーが一堂に集まり,それぞれの実践と課題を素材に語り合うことで参加者は元気を得ました。 最後に,スクールリーダー・フォーラムは「出会う,交わる,協働する」ことを基軸に据えてきたことを大阪教育大学の大脇康弘教授が述べて,閉会のあいさつとしました。
[左上写真]栗林澄夫理事あいさつ[右上写真]佐古秀一教授(鳴門教育大学教職大学院)の講演[左下写真]田中紘二名誉教授(ピアノ)と大木愛一教授(チェロ)の演奏[右下写真]ラウンドテーブルの様子
(総務企画課)