外務省在アフガニスタン大使館公使の前田未央(まえだ みおう)氏が,本学教養学科の授業で,「アフガニスタンの現状と我が国の取り組みについて」をテーマに,ゲスト講師として講演しました。人間科学講座の山田正行教授の生涯教育原論の一環で,約50人の学生,教職員が参加しました。 初めに教養学科長の高橋誠教授が「本学は,アフガニスタン・イスラム共和国の2大学とは協定を締結し,留学生も本学で学んだことがあります。教養学科の学生としてアフガニスタンの現状と外交課題についてグローバルな視点から関心を深めてほしい」と挨拶しました。 前田氏は,アフガニスタンという国の歴史的,地理的,宗教的な歩みと,2001年9月11日米国同時多発テロを契機に高まった国際的な厳しい現状について説明しました。そのうえで,来年2014年に,大統領選挙と国際治安支援部隊(ISAF)の撤収を控えているアフガニスタンの置かれている政治的・国際的現状と日本の外交課題についてスライドを交えながら話を進めました。 前田氏は「国際貢献といえども憲法の規定で武力行使につながる軍への支援はできない。アフガニスタンの持続的・自立的発展を後押しするため,農業・農村開発,インフラ整備,人材育成の三分野で様々な国際支援を行っている」と紹介し,「では民間で何かできるのかという課題があるが,大学ならアフガニスタンの留学生を積極的に招くことがいいのではないか。留学生との交流を通し,グローバルな視点を学ぶことができ,国際交流の一環として有意義な取り組みだと思う」と提起しました。 このあと,山田教授の授業を受講し,グローバリゼーションが進む中で進路を考えている学生ら5人が前田氏を囲んで講演の感想を踏まえて懇談しました。 学生の1人は「将来的には日本で公務員になって平凡に暮らそうとおもっていたが,今回の講演を聴いて,海外でボランティア等をしながら苦しんでいる人たちの助けになりたい」と感想を述べていました。
[左写真]前田未央氏[右写真]講演の様子
(総務企画課)