学長,理事,監事による特別授業「大阪教育大学の歴史と使命」の第二回目が,10月11日(金)柏原キャンパスで行われました。今回は,全盲の視覚障がい者である山本宗平教諭(大阪府立春日丘高校・英語科)をゲストに招き,成山治彦理事が質問をしながら,山本教諭の生き方を通して「学ぶ力とは何か」「生きる力とは何か」について考える講演形式の講義となりました。 小中高と両親の方針で普通学校に通った山本教諭は,クラスメートとの交流を通して,障がいがあるから出来ないという固定観念を払拭し,逆境を切り抜けてきました。将来について考えたとき,視覚障がいのことをあまり知られていないフィールドで,視覚障がい者にしかできない活動をしたいと思い,そこから学校教育へと結びつきました。「偏見をもたないうちに多様な人と触れ合うことで学びの幅は広がる。自分がその教材になれれば」と教職を目指した理由を語ります。教師になり,担任を受け持った経験から,「普通の先生とは教え方が違うからこそ,違う角度から学べ,視野が広げられる」といいます。そのうえで,学生たちに,「挫折して逆境に立たされたとき,自分の存在価値を思い出して欲しい。工夫の仕方や考え方はたくさんある。不可能だと決めつけないことで突破口は見つかる」とエールを送りました。 山本教諭の話を受けて成山理事は,「健常者の立場から,出来ること・出来ないことを決めつけてはいないだろうか?一般的なツールが使えないならば,それぞれにあったコミュニケーションの取り方があるはずで,その工夫を考えることが大切」と述べました。
[左写真]山本宗平教諭[右写真]講演の様子
(総務企画課)