「高度専門型理系教育指導者養成プログラム~これからの中等理科教育指導者像を探る~」と題したシンポジウムを12月8日(土),本学天王寺キャンパスミレニアムホールで開催しました。 これは,「大阪教育大学」「大阪府教育委員会」「研究重点(京都大学,大阪大学)大学院」が連携し,理系の博士学位取得者(学位取得予定者を含む)を,理数教育に指導的役割を果たし得る学校教員として養成するプログラムの一環で実施したものです。 初めに,元文部大臣の有馬朗人氏による基調講演「日本の理科教育は優れている~それをさらに進めるために~」が行われました。有馬氏は,「小中の子どもたちの勉強の意識を強めるためには,知識への好奇心を高めていかないといけない」「知識を教えると同時に,知識だけでは理解できない時の対処法を教えることが,教育で一番重要だと思う」と述べ,時折ユーモアを交えながらも様々な課題の指摘がありました。 次に,本学の定金晃三教授が,「高度専門型理系教育指導者養成プログラム」に関する現状と問題点や,本学の役割などを報告しました。 このあと,川村幸治氏(大阪府教育委員会教育監),東島清氏(大阪大学理事・副学長),本学の越桐國雄理事が,「各連携機関における現状と期待」と題し,課題を述べました。川村氏は,「理科教育の高い志と高度な研究能力や指導力を備えた方々が,多く養成されることを願っている」と述べ,東島氏は,「単に専門的知識を持った研究者を育てるのではなく,社会に出た時に活かせるような幅広い能力を身に付けさせてほしい」と述べました。越桐理事は,「教育委員会や諸大学と連携し,優れた理科教員を養成することが課題であり,その中で中心的な役割を果たしていきたい」と強調しました。 続くパネルディスカッションでは,「これからの中等理科教育指導者像を探る」と題して,パネリストとして津田仁氏(大阪府教育委員会教育振興室室長),西村いくこ氏(京都大学教授),倉光成紀氏(大阪大学教授),小倉康氏(埼玉大学准教授)を招き,コーディネートを本学の片桐昌直教授が務め,それぞれの立場から問題提起や期待について述べるとともに,フロアを交え活発な意見交換を展開しました。 参加者のアンケートでは,「進路の参考にします」「理科教師として自分自身も向上していかなければ,理科教育の質の向上につながらないと改めて感じた」といった意見が寄せられました。
(総務企画課)