本学教員養成課程国語教育講座の主催による「第7回国際比較国語教育シンポジウム」を,12月8日(土)と9日(日)の2日間にわたり開催しました。「国語教室における文学とメディアの交差点」をメインテーマに,イギリスからシェフィールド大学のジャッキー・マーシュ教授(Prof.Dr.Jackie Marsh),ドイツからアウグスブルク大学のクラウス・マイヴァルド教授(Prof.Dr.Klaus Maiwald)を招き,ワークショップとシンポジウムを行いました。 マーシュ教授は,児童のリテラシー発達における,大衆文化やメディア,新しいテクノロジーの役割および本質に関する研究を展開しています。マイヴァルド教授は,映画化された文学作品を手がかりにした,「メディア結合」を意識した体系的な文学の授業モデルを開発・構想するとともに,児童・青少年の読書教育を促すプロジェクトを推進しています。 1日目は,柏原キャンパスで,本学国語専攻の学生を対象にワークショップを行いました。マーシュ教授のテーマは「Literacy curricula,pedagogy and assessment in the digital age」(デジタル時代のリテラシー・カリキュラム,教授論,評価)。マイヴァルド教授は「Mit Filmen arbeiten」(映画を用いた研究活動)でした。 2日目は,大阪国際交流センターにてシンポジウムを開催しました。マーシュ教授が「Young children’s literacy in practices in virtual worlds」(ヴィジュアル型現代社会における幼児および入門期児童のリテラシー獲得実態の考察),マイヴァルド教授が「Literatur im Medienverbund」(メディア結合の中の文学),そして本学の松山雅子教授が「Visual approaches in reading narratives in Japanese teaching class」(物語読解におけるビジュアル・アプローチの可能性と課題-大阪府下小中学校の国語科実践事例の検討から)というテーマで基調講演をしました。3人の講演をふまえて,現代社会においてマルチモーダルなメディア環境にいる子どもたちへの言語・文学教育の実践と理論,子どもの日常生活のメディア経験を学校現場の国語教室に取り込み活用することの意義と方法,課題等について,それぞれの国の文化・教育事情に言及しながらディスカッションを行いました。両日ともに参加者は熱心に学んでいました。
[写真左上]ジャッキー・マーシュ教授[写真右上]クラウス・マイヴァルド教授
(国語教育講座)