第二部実践学校教育講座(天王寺キャンパス)の大学院生(FT:授業実践者コース)および学部生による海外教育実習プロジェクトチーム10人(猪原主崇代表)が,教員3名とともに11月23日から12月6日までの14日間,スウェーデンとフィンランドの小学校を訪問しました。 実践学校教育講座では,FTコースの採用前教育プロジェクトの一環として,FT院生が率いる海外教育実習を行っており,昨年度の台湾訪問に続いて2回目の実施となります。教員は森田英嗣教授,柏木賀津子准教授,種村雅子准教授が参加しました。 本プロジェクトは,前期履修科目である『学習開発研究演習』(大学院)および『小学校英語教育研究』(学部)の修了者から募ったメンバーで構成されており,小学校外国語活動の模擬授業や国内の英語授業訪問を経たうえで,「理数分野」や「言語・異文化分野」の日本らしい授業を英語で海外に発信することで,より深い交流ができるようになることを目的としています。4か月間の取り組みの成果として海外教育実習を行い,参加者の「教える英語力」にも寄与するプログラムとして,独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)より奨学金を受けています。 今回の訪問先は,スウェーデンのリンネ大学,キューラビックスコーラ,フィンランドのオーボ大学附属小学校です。リンネ大学では言語教育専門のEmil Tyberg教授から,第二言語教育の評価としてCEFRの目的とアセスメントの実際を学び,当大学の企業連携プロジェクトについても説明を受けました。キューラビックスコーラでは,Helena Sagar先生から,言語と科学分野のプロジェクト学習の実際を学び,7つの学級に3日間入り込み授業を行いました。オーボ大学附属小学校では,本学を訪問したことがあるGun Jakobbson校長から,フィンランドの現カリキュラム,および2016年に改正予定の新カリキュラムとの違いを学び,「フィンランド・メソッド」が担任教員のふだんの指導に深く根付いていることを感じました。リンネ大学とオーボ大学は本学の提携大学でもあります。 また,キューラビックスコーラを始めとする3か所で「科学:紙飛行機と浮力」「言語:『地獄のそうべえ』で伝える日本の古典落語」「異文化:『となりのトトロ』から見つける日本のSpirit」の授業を行いました。小学校1~6年生で活発な意見や反応が見られたことで,CLIL(内容統合型言語学習)理論に基づき英語で伝えるための取り組みを行ってきた成果が確認されました。北欧の児童が,グループ学習,ディスカッション,思考を深めるライティング等に慣れ親しんでいる様子を直に感じ取ることができました。 北欧の教育と実習の成果を広く知ってもらうため,12月22日(土)の午後3時30分から,天王寺キャンパス416講義室でビデオ紹介を含む報告会を行います。多くの方のご参加をお待ちしております。実践学校教育講座「スウェーデン・フィンランド海外教育実習2012」帰国報告会開催のご案内(12月22日)
(実践学校教育講座)