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2012.07.05

第二部・種村准教授参加の「LADY CATS」に国際物理教育委員会(ICPE)メダル授与

 本学第二部実践学校教育講座の種村雅子准教授(物理教育)が参加する「LADY CATS」(レディー・キャッツ)の活動が,国際純粋応用物理学連合(IUPAP)の国際物理教育委員会(ICPE)から認められ,ICPEメダルが授与されました。種村准教授は7月4日,トルコのイスタンブールで開かれた世界物理教育会議と,メダル授与式に出席しました。メダルは長年にわたって物理教育に貢献のあった個人やグループに贈られるもので,これまでにグループとしては,1991年にInternational Physics Olympiad(国際物理オリンピック),2008年にユネスコが授与されています。また,日本人では2003年に元上智大学助教授の笠耐(りゅう たえ)氏が授与されています。

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 種村准教授は2005年,小学校から大学までの女性教員グループ「LADY CATS」の設立と同時に参加し,これまで中心的に活動を担ってきました。男性の理科教員と連携しながら,日本の小中学校の女性教員たちの物理や理科教育への苦手意識を克服させる活動や,発展途上国での物理教育の支援や普及をめざして活動しています。「LADY CATS」は,日本の高校教師グループの「STRAY CATS」の精神を受け継ぎ,毎年国際会議で発表を続けて広く知られるようになりました。
 「LADY CATS」で種村准教授らは,物理現象の原理を説明するために,安価でシンプルな,しかも美しい実験装置を考案し,紹介しています。これらの実験装置は簡単に手作りでき,教育現場ですぐに役立つものばかりで,学ぶ側の立場に立った物理教育をめざしています。日本の小学校では,物理を教えることに苦手意識をもつ教員が多いので,そのような教員の支援をすることも目標としています。

【種村准教授喜びのコメント】
 わたしたちの活動が国際的に認められたということは,とてもうれしいです。正直言って,とても驚きました。また物理の研究者や教員には男性が多く,この分野では少数派の女性が集まって,活動できることに感謝しています。忘れてならないのはわたしたちの活動に協力を惜しまない男性の理科教員の存在だと思っています。ありがとうございました。

LADY CATSのメンバー
実験装置の説明をする種村准教授

[上写真]「LADY CATS」に授与されたICPEメダル
[左写真]世界物理教育会議でメダルを授与された「LADY CATS」のメンバーたちと種村准教授(右から2人目)
[右写真]実験装置の説明をする種村准教授

(総務企画課総務広報係)