第5回科学教育シンポジウム「科学技術人材育成のためのカリキュラムと効果測定」(本学科学教育センター主催)を3月10日(土),天王寺キャンパス中央館ミレニアムホールで開催し,大学教員,小中高の教員,教育委員会,塾関係者など,理科教育に関心のある約130人が参加しました。 任田康夫・科学教育センター長(教育学部教授)による趣旨説明と,長尾彰夫学長の挨拶の後,グローバルな視点から科学教育を捉えた2つの基調講演を行いました。最初に,埼玉大学教育学部理科教育講座の小倉康准教授が「科学教育カリキュラムの真正な評価について」と題して講演を行いました。その中で,小倉准教授は「小・中・高校・大学の長い期間をかけなければイノベーションを支える卓越した才能を培うことはできない。特に優れた科学技術の人材育成は特別な学校の役割である」と強調しました。続いて,国立教育政策研究所教育課程研究センターの後藤顕一総括研究官が「『理系進路選択』について~国立教育政策研究所プロジェクト研究を踏まえて~」と題して講演を行いました。後藤総括研究官は「ゼロから1を生み出すように,新しい知や価値を創り出すことのできる創造力を有した科学技術人材育成のためのカリキュラムをどの学校でも保障する必要がある」とし,全国の高校で実施されているSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の教育実践に学ぶことが大切だと強調しました。 続いて,本学科学教育センターの仲矢史雄特任准教授が「附属学校と連携した科学技術人材育成の取組と評価」をテーマに,本学と附属高校天王寺校舎のSSHにおける生徒の研究活動と,評価結果などを報告しました。また,本学教養学科自然研究講座の片桐昌直教授が「高度理系人材の活用とCSTプログラムについて」と題して,本学が取り組んでいる「高度専門型理系教育指導者養成」や「CST養成」などのいくつかの理系教員養成プログラムの関係について報告を行いました。 この後,4人の発表者によるパネルディスカッションが行われ,「理科教育においてリアリティを感じられる体験や実験を,受験をにらんだカリキュラムの中でどのように保障するのか」などについて議論を繰り広げました。最後に,木立英行理事が閉会の挨拶を行いました。
(企画課広報室)