本学教養学科芸術講座は11月10日(木),柏原キャンパスに,劇作家,演出家の平田オリザ氏(大阪大学コミュニケーションセンター教授)を招いて,「コミュニケーション教育の現在~芸術を大学教育に生かす」をテーマに特別講演会を実施しました。これは,芸術講座が教育研究活性化事業として進めている,“芸術制作を核とする領域横断的科目の構築”の一環で,当日は,学生・教員ら約90人が参加しました。 講演会ではまず,体の動きをとおしてコミュニケーション能力を育成するワークショップの様々なバージョンを,学生の参加で実践指導しました。参加者一人ひとりの誕生月でペアを組む活動,ファシリテーターの投げかける質問に応えてグループ別にまとまる活動,立ったままの体を倒して仲間に支えてもらう活動,アイマスクを付けての歩行を仲間に誘導してもらう活動などのほか,教員がアイマスクを付けて20mの距離を全速力で走りゴール時点で学生らに受け止めともらう活動など,体で相手との信頼関係をつくるゲーム形式のワークショップを学生らが体験。失敗や成功のたびに,学生たちは大きなリアクションで盛り上がりました。「このワークショップは参加する人の履歴を大事にする活動です」「演劇人のウォームアップとして欧米で生まれたワークショップです。日本人は真面目すぎるのではまり過ぎないように」「クラスの仲間づくりにつながるしゲーム感覚で面白いので小学校などのクラス開きや,授業の導入時に取り入れると,大きな効果を発揮します」などと,ユーモアをまじえながらアドバイスしました。この後,ワークショップを使って大阪大学の教養教育で導入している授業のポイントについて講演しました。 講座主任の中務晴之教授は「今回の平田先生の特別講演会,前半のワークショップは大変ユニークで興味深いものでしたし,後半の講演では“コミュニケーションというのは相手を深く理解しようということではなくて,お互いの接点を見つけることである”という言葉が印象に残りました。すべてを通して素晴らしいで内容で,大学でのコミュニケーション教育の必要性を改めて感じました」と話しています。
(企画課広報室)