生涯発達的視点に基づく校種間連携型の一貫教育をめざし,本学附属の平野地区五校園は11月6日(土),同校園を会場に共同研究発表会を開きました。「ことば・体験・コミュニケーションで『考える力』を育てる保育・授業創り-アセスメントを活かした支援・指導のあり方を探る-」を主題とする研究発表に,大阪府内外から約600人の教育関係者が参加しました。 平野五校園では,学びの連続性を15年にわたり追求し,幼稚園から小・中・高等学校に至る縦の連携,特別支援学校との横の連携を通して,全国にも例を見ない五校園の連携型一貫教育を推進しています。今年からは大学と五校園の共同研究を開始し,初年度を基礎研究期間と位置づけ,各校園種の特性を基盤に「つながり」のあり方を模索しようと,教員間の相互交流,共同の研究授業などを進めています。 研究発表会では,まず附属高等学校平野校舎で,1年生3クラスの授業が公開されました。その中の1クラスでは「いのちを考える」をテーマに,生殖医療・終末医療について生徒同士が賛成・反対の立場に分かれて熱のこもったディベートを繰り広げ,参観者の注目を集めました。その後,幼稚園,小学校,中学校,特別支援学校の保育,授業を公開しました。どの教室も公開授業は参観者であふれ,教科・領域別分科会でも熱気のこもった研究協議が展開されました。 その後のシンポジウムでは「21世紀の知識基盤社会に生きる力を培う学校をどう実現するか」をテーマに,本学の木原俊行教授(実践学校教育講座)がコーディネーターを務め,本学の成山治彦理事と上村逸子教授(特別支援教育講座・附属特別支援学校長),京都産業大学の西川信廣教授,そして,附属平野中学校研究主任の池永真義教諭の4人が討論しました。この中で,小中連携教育研究の第一人者で知られる西川教授は「探究型の新教科開発にチャレンジし,平野ならではの連携型一貫教育をすすめ,教師の指導力成長のモデル校になってほしい」などと期待を述べました。
(企画課広報室)