「アメリカの大学におけるGPA制度と学生の学習支援」の講演会(教員養成課程FD事業推進委員会主催)が9月22日(水),柏原キャンパスで開かれました。 講師は,本学卒業生(小学校教員養成課程教育専攻心理学コース,2000年9月卒)の潮崎泰子氏。1999年8月から2000年5月までイースト・カロライナ大学(ECU)に交換留学生として渡米し,卒業後もECUで勉学を続けられ,ボストン大学(BU)でアカデミックアドバイザーとして活躍された方です。 GPA(Grade Point Average,グレード・ポイント・アベレージ)とは,各科目の成績から特定の方式によって算出された学生の成績評価値(5項目),あるいはその成績評価方式のことをいいます。欧米の大学や高校などで一般的に使われており,日本でも成績評価指標として導入する大学が増えてきています。BUでは留学や奨学金の授与,さまざまなアカデミックプログラムへの参加,学内での編入,卒業要件の判定などの際に学力を測る指標となっています。 潮崎氏は,少子化の中で両親から手厚く育てられた「Millennial Students」(ミレニアル・スチューデンツ)について触れ,「自分は特別だと思っている,過保護,自信家などの特徴をもつ若者で,日本でも同じ傾向が生まれているのではないでしょうか。その特性を踏まえたうえでカウンセリングに当たらないといけない」と強調。そのうえで,アカデミックカウンセラーの仕事,よく扱うケース,学習カウンセリングでできることなどについて,体験を交えて解説され,「『担当の学生から悩みを打ち明けられた』『評価の判定の仕方が分からない』など,教員からの相談に乗ることも多い」「BUには精神科医が10数人いて,メンタルヘルスセンターと細やかに連携し,うつ病や自殺願望の学生への対応をしていくこともある」などと話されました。また,GPAが低すぎて退学か取得単位の変更を迫られた学生の相談活動の経緯や,家計や友人関係,恋愛などさまざまな悩み(ストレス)の解決策をアドバイスしたケーススタディを紹介されました。 話の途中でも参加者から次々に質問が投げかけられ,それに答えてディスカッションが盛り上がるなど,大変有意義な講演会となりました。
(企画課広報室)