人間科学講座の山田正行教授の授業の一環として,外務省職員による外交講座が,6月2日(火)に本学柏原キャンパスで開催されました。昨年同様『人道支援』をテーマに,外務省の国際協力局緊急・人道支援課課長補佐の越智友佳子氏が講師を務めました。 外務省では,被災国やその周辺諸国との関係を考慮しつつ,被災国政府や国連からの支援要請や,各関係機関との連携協議に対応し,復旧・復興に向けた継ぎ目のない人道支援を展開しています。講演では,ネパール地震やエボラ出血熱の流行を例に挙げ,国際緊急援助隊の派遣や緊急援助物資の供与など,日本における人的・物的・資金的な支援の取り組みが解説されました。越智氏は「自然災害や紛争拡大により,人道支援は世界的に注目を集め,2016年には世界人道サミットの開催が決まるなど,発展を遂げている分野です。ぜひ皆さんにも関心を持ってもらいたい」と呼びかけました。 講演後は,山田教授と安部文司教養学科長に加えて,国際的人道支援に関心を寄せる学生8人との昼食を交えた懇談会が開かれました。「過激派組織が支配する地域のように,支援が敵視されてしまう場合はどう対応するのか」「人道支援のカテゴリに心のケアは入っているのか」「近年,人道支援に積極的な中国政府とどう関わっていくか」など,率直な質疑応答が交わされました。 外交講座および懇談会に出席した学生は「これまで,外務省のような官庁や国連などの国際機関は,自分と何ら関わりを持たないものと認識していましたが,越智氏の話を聴いて,組織の中で働いている人たちの表情や頑張りが伝わり,とても身近に感じました」と感想を寄せていました。
[左写真]越智友佳子外務省課長補佐による講演[右写真]本学学生を交えた懇談会
(広報室)